2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子合金系平衡状態図創製のための界面エネルギーの評価
Project/Area Number |
18360368
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 敏宏 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (10179773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 信充 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50294020)
吉川 健 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90435933)
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Keywords | ナノ粒子系状態図 / 固液界面エネルギー / 三相界面形状 / 固体表面エネルギー |
Research Abstract |
本研究では、ナノ粒子合金系状態図の精確な評価を行う上で必須である金属材料の固液界面エネルギーの測定を行っている。その測定法として、固体基板上にて金属あるいは合金液滴を溶融保持した際に形成される固気液三相界面形状を計測し、各二面角を成立させる界面エネルギー間の関係を導く手法を用いている。そこでは液滴の表面張力を用いて、固液界面エネルギーと固体基板の表面エネルギーを求めることができる。Ag基板上で:Bi-Ag液滴を、またCu基板上でCu-B液滴を溶融保持した際、初期の実験では液滴による基板の完全濡れが観察され、想定した三相界面形状が得られなかった。そこで三相界面形状の形態と液滴の溶融保持条件を調査したところ、液滴組成が基板に対して過共晶組成となるよう制御すると安定した三相界面形状が得られることを見出し、また基板上に予め穿孔した後に液滴試料を設置すると完全濡れを抑制できることを明らかにした。これらの実験条件に基づき上記2種類の合金系について種々の温度での基板/液滴間の固液界面エネルギーならびに固体基板の表面エネルギーの測定を行った。得られた測定結果について既報告値、あるいは推算法による予測値との比較検証を行った結果、良好な一致が得られたことから、本手法での固液界面エネルギーの測定の妥当性を確認した。現在、同法を他の成分系に適用して合金系の固液界面エネルギーの系統的な測定を行うとともに、測定値に基づき固液界面エネルギーの新規推算モデルの導出を行っている。
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