2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360384
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
馬場 俊秀 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (50165057)
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Keywords | メタン / エチレン / プロピレン / 銀イオン交換ゼオライト / SAPO-34 |
Research Abstract |
エチレン共存下でメタンの高級炭化水素への転化反応において,反応初期過程で起こるメチルカルベニウムイオンの生成とそれに続くプロピレンの生成機構を調べた。即ち,Ag-Y, Ag-A及び銀イオンで修飾したH-ZSM-5ゼオライトを触媒として,^<13>CH_4の転化反応をエチレン共存下で行なうとプロピレンと水素が生成し,しかも^<13>Cをひとつだけを含むプロピレン(^<13>CC_2H_6)と水素が生成した。こうした実験結果はメタンとエチレンとの反応によってプロピレンと水素が生成していることを示している。 エチレン共存下でのメタンの炭化水素への転化反応は,銀イオン以外の金属イオンで修飾したH-ZSM-5ゼオライトでも進行する。即ち,^<13>CH_4の転化反応をエチレン共存下で行なうと,^<13>CC_2H_6と水素が生成した。 また,メタンとして^<13>CH_4を用いるとベンゼンとも反応してトルエンを生成した。 以上の実験結果を基に,金属イオンによるメタンの活性化機構を提案した。この研究によってメタンをはじめとするアルカンの新しい活性化法を提案できる可能性がある。 一方,H-ZSM-5などのプロトン交換ゼオライトではエチレンだけが反応し,プロピレンなどの炭化水素を生成する。即ち,プロトン交換ゼオライトでは,メタンの転化反応が進行しない。従って,プロトン交換ゼオライトによって生成するエチルカチオンは,メタンと反応しないと結論できる。 そこで,エチレンからプロピレンを選択的生成する触媒の探索を行った。なかでもSAPO-34を用いると選択的にプロピレンが生成することを見出した。反応温度400℃でエチレンを反応させると,エチレン転化率がおよそ75%以下では,プロピレン選択率が80%以上であった。このときプロピレンの最高収率は55%に達した。
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