2006 Fiscal Year Annual Research Report
生殖工学的手法によるトランスジェニックニワトリ作製の改良
Project/Area Number |
18360393
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯島 信司 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (00168056)
|
Keywords | トランスジェニックニワトリ / サイレンシング / プロモーター / レトロウイルス / 始原生殖細胞 / トランスジェニックウズラ / 胚盤葉 |
Research Abstract |
孵卵55及び160時間の胚より始原生殖細胞を分離し、これにβ-ガラクトシダーゼ遺伝子を発現するレトロウイルスベクターを感染した後、孵卵55時間胚の心臓に移植した。胚は孵卵160時間で解剖し、生殖巣におけるβ-ガラクトシダーゼの発現を観察した。始原生殖細胞の少なくとも一部は生殖巣に生着し、酵素活性を発現していた。 一方、孵卵ゼロ時間胚の始原生殖細胞は数が少なく、共雑する他の細胞種が多かった。他の研究で始原生殖細胞に特異的に発現するマーカータンパク質VASAに対する抗体を作製したので、今後これを用いて孵卵ゼロ時間胚の始原生殖細胞をきちんと同定し、実験を行う予定である。また孵卵55及び160時間胚に関しても、始原生殖細胞マーカーを用いて定量的に実験を進める。また始原生殖細胞を移植した胚を培養、ニワトリを誕生させ子孫の取得を試みたがトランスジェニックニワトリ子孫は得られなかった。 一方、TNFR-Fc融合タンパク遺伝子を始原生殖細胞に導入するための予備検討として、以前通常の方法で作製した融合タンパク生産キメラニワトリのTNFR-Fc融合タンパクの生物活性を測定している。 また遺伝子サイレイシングを打破する事を目的とし、ニワトリで機能する強カなプロモーターをスクリーニングするためCMV, SV40,RSVプロモーターをクローン化し、下流にscFvFc遺伝子を導入したレトロウイルスベクターを作製中である。さらに強カな遺伝子活性化システムであるヘルペスウイルスVP16を用いたハイブリッドトランスアクチベーターを用いてサイレイシングを回避することをめざし、このシステムを用いて抗体H鎖L鎖をそれぞれ独立した転写ユニットとして発現するウイルスベクターを作製した。現在、トランスジェニックニワトリ作製に用い得る高濃度ウイルスベクター溶液の作製を試みている。
|