2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360427
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂口 清敏 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 講師 (50261590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 浩二 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10108475)
木崎 彰久 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (60344686)
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Keywords | 廃棄物地下保存・処分 / 地下岩盤き裂 / き裂の力学的挙動 / き裂透水性 |
Research Abstract |
昨年度提案した直交異方性岩盤を対象とした下向き円錐孔底ひずみ法の測定理論をボアホール軸と直交異方性の主軸が一致する場合について室内試験により検証することを目的として, 4つの岩石に対し, 以下のように実験および解析を行った. 具体的には,(1): 円柱と角柱の試験片を作製し, 繰り返し載荷試験を行って弾性定数を求めた.(2): 真三軸圧縮試験を行い, 載荷応力と回復ひずみのデータを測定した.(3):(1)で求めた弾性定数, で測定した回復ひずみを用いて解析を行い, 等方性を仮定した場合と, 異方性を考慮した場合それぞれについて応力を評価した.(4): 評価された応力の大きさの誤差, および主応力方向の比較を行った. 結果は以下の通り. 1)載荷応力方向の異方性が顕著であった場合, 等方性を仮定すると無視できないほどの誤差が生じ, 異方性を考慮するとその誤差が小さくなる傾向が実験からも確認できた. 2)等方性仮定により生じる応力の大きさの誤差は, 載荷応力方向の異方性, 特に最大載荷応力方向の異方性に依存していた. 3)最大載荷応力方向の異方性が10%を超える場合に, 等方と仮定してしまうと応力の大きさに10%を超える誤差が生じ, 20%を超える場合に等方と仮定すると20%以上の誤差が生じる恐れがあることがわかった. 4)角柱試験片を用いてポアソン比の異方性を考慮しても, 円柱試験片から求めたボアソン比を用いた場合と比べて, 評価結果が改善している傾向は見られなかった. これは, ボアソン比の評価応力に与える影響がヤング率と比較して小さいために, その異方性を考慮することによる改善はわずかであるため, 試験片の整形不具合や, ストレインセルの貼付の不具合など様々な要因によりに生じる実験誤差の影に隠れてしまったものと思われた.
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