2006 Fiscal Year Annual Research Report
中深層性大型頭足類の分類ならびに生態、潜在性物量に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18370039
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
窪寺 恒己 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部・動物第三研究室, 室長 (80170041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 雅男 帝京科学大学, アニマルサイエンス, 助教授 (50270905)
篠原 現人 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部・動物第二研究室, 研究員 (10280520)
西海 功 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部・動物第一研究室, 研究員 (90290866)
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Keywords | 中深層性大型頭足類 / 深海用水中ビデオカメラ / 小笠原諸島 / ダイオウイカ / アカイカ / ヒロビレイカ / 行動生態学 / 生物発光 |
Research Abstract |
ハイビジョンカメラを搭載した、深海用水中ビデオカメラ・ライトシステムを後藤アクアティックスと新たに開発し、2台購入した。このシステムは2005年製作のシステム(約170kg)に比べ、小型軽量化(約18kg)が図られ、小型漁船による調査が可能となった。 平成18年10月12日〜10月23日及び12月2日〜12月14日、小笠原父島に赴き縦延縄漁船・第八興勇丸(船長:磯部康郎)を傭船し、それぞれ3日間、6日間深海用水中ビデオカメラシステムを用いて小笠原父島及び弟島沖で調査を行った。10月に調査日数が少ないのは、台風18号が小笠原を直撃したことによる。両期間合わせて、30時間に及ぶ水深600〜1000mの深海でのビデオ撮影に成功した。撮影された大型頭足類は、アカイカが最も頻繁に現れ、ヒロビレイカも稀に出現した。その他、高速で泳ぐ小型のイカ類も撮影されているが、種の判別は困難である。特に12月のアカイカは、産卵前期にあたると考えられ、餌を襲う行動のほかメイティングと思われる発光パターンと行動が撮影され、現在解析を進めている。 また、12月の調査では、4日に弟島北東沖約15マイルの地点で深海たて縄により水深約650mからダイオウイカを海面まで釣り上げることに成功し、その生きている姿と行動をビデオカメラに収録した。この映像を、「生きているダイオウイカの世界初の映像記録」としてメディアに公表し、NHKを初めとするニュース番組(12月22日)で広く広報された。また、世界の主要インターネットニュースでも取上げられた。 その他、2005年に行った調査で撮影されたヒロビレイカの遊泳、摂餌、発光行動を纏め、2007年2月にProceedings of the Royal Society Bから"Observation of wild hunting behaviour and bioluminescence of a large eight-armed squid, Taningia danae" Kubodera, T., Koyama, Y. & Mori, K. 2007として公表した。この論文も日本の主要新聞各社および世界の主要インターネットニュースで大きく取上げられた。
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Research Products
(1 results)