2006 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド・ビルトイン型キノン補酵素の生合成機構と触媒機能
Project/Area Number |
18370043
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷澤 克行 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20133134)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 俊英 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10247968)
|
Keywords | 銅アミン酸化酵素 / トパキノン / ビルトイン型キノン補酵素 / キノヘムプロテイン / 分子内チオエーテル架橋 / ラジカル・SAMタンパク質 / 翻訳後修飾 / X線結晶解析 |
Research Abstract |
1.銅/トパキノン含有アミン酸化酵素の触媒機能解析 土壌細菌由来の銅/トパキノン含有アミン酸化酵素の活性部位アミノ酸残基の機能を、部位特異的変異導入と変異型酵素のX線結晶構造や反応速度論的・分光学的性質に基づいて解析し、(1)活性部位のAsp298残基が基質-補酵素間シッフ塩基のα-プロトンを引き抜く触媒塩基であるとともに、同反応中間体の形成や生成物シッフ塩基の加水分解にも関与することを証明し、(2)還元的半反応における反応中間体のX線結晶構造を銅含有アミン酸化酵素で初めて決定し、基質のα-プロトン引き抜きの立体特異性を反応中間体の構造から説明できることを明らかにした。さらに、(3)活性部位近傍の疎水性ポケットを構成するアミノ酸残基への変異導入によりトパキノン補酵素の自己触媒的生成の反応速度が低下し、この領域は酸素チャンネルとして機能していると推定した。 2.キノヘムプロテイン・アミン脱水素酵素の活性発現機構 グラム陰性細菌由来のキノヘムプロテイン・アミン脱水素酵素は、ヘテロ三量体構造を有し、最も小さなγ-サブユニット中に新規キノン補酵素のシステイントリプトフィルキノン及びCys残基とAsp残基あるいはGlu残基間の分子内チオエーテル結合を含んでおり、これらの複雑な構造はタンパク質の翻訳後修飾により生成するがそれらの生成機構は未解明である。本研究では、これらの翻訳後修飾に関与すると考えられる新規な鉄硫黄タンパク質に着目し、その役割について生化学的・分子生物学的な方法を用いて検討を加えた。その結果、この鉄硫黄タンパク質がγ-サブユニットの翻訳後修飾に必須の役割を果たしていることを明らかにした。また、詳細な質量分析の結果から、このタンパク質が欠損するとγ-サブユニットは全く翻訳後修飾を受けないことが明らかになった。
|
-
-
[Journal Article] Kinetic and Structural Studies on the Catalytic Role of the Aspartic Acid Residue Conserved in Copper Amine Oxidase2006
Author(s)
Yen-Chen Chiu, Toshihide Okajima, Takeshi Murakawa, Mayumi Uchida, Masayasu Taki, Shun Hirota, Misa Kim, Hiroshi Yamaguchi, Yoshiaki Kawano, Nobuo Kamiya, Shun'ichi Kuroda, Hideyuki Hayashi, Yukio Yamamoto, Katsuyuki Tanizawa
-
Journal Title
Biochemistry 45・13
Pages: 4105-4120
-
-