2007 Fiscal Year Annual Research Report
基本転写因子TFIIDによる遺伝情報選択システムの解明
Project/Area Number |
18370072
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
古久保 哲朗 Yokohama City University, 国際総合科学研究科, 教授 (10271587)
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Keywords | 転写調節機構 / 転写因子 / 基本転写因子 / 転写制御 / 出芽酵母 / TFIID / TAF / TBP |
Research Abstract |
TATAボックス/イニシエーター等のコアプロモーター構造を認識する基本転写因子TFIIDは、転写開始前複合体のアッセンブリーに際して核となる分子であり、転写調節因子から受け取った信号を転写量の増減へと変換する上で中心的な役割を果たす。出芽酵母には138個のリボソームタンパク質(RP)遺伝子が存在し(mRNA全体の約50%に相当)、これらは全てTFIID依存的に転写されると考えられている。またRP遺伝子は、TOR経路によって活性調節を受ける転写調節因子FHL1-IFH1複合体及びRAP1,SFP1等によって協調的に制御されることが知られている(富栄養時はON,貧栄養時はOFF)が、その詳細については明らかにされていない。 我々はRP遺伝子群(RPS,RPL)を統合的に制御する転写因子としてHMGBタンパク質の一つであるHMO1を新たに同定し、遺伝学的な解析からHMO1とTFIID,TFIIA,TFIIBとの相関を示すとともに、タイリングアレイを用いてHMO1,RAP1,FHL1,SFP1の標的遺伝子群を網羅的に同定し、相互の詳細な比較検討を行った。またHMO1変異がTFIIB変異を抑制する原因を解明する過程において、HMO1の結合量が多いプロモーター上ではHMO1変異によって転写開始点が上流側にシフトすること(TFIIB変異では逆に下流側にシフトする)、すなわちHMO1は転写開始点の決定に関与することを見出した。HMO1はTAF1のTAND(TAFN-terminal domain),TBP(TATAボックス結合タンパク質)と相互作用し、粗抽出液からTFIIDと共精製されることから、コアプロモーター上におけるTFIIDの結合位置を決定する役割を有するものと考えられる。
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Research Products
(13 results)