2007 Fiscal Year Annual Research Report
SNARE結合蛋白質(ZW10/RINT-1)による小胞体-ゴルジ体間輸送の調節
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18370081
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
多賀谷 光男 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 教授 (30179569)
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Keywords | Sintaxin18 / ZW10 / RINT-1 / ダイニン / ダイナクチン / 小胞体 / 微小管 / 小胞輸送 |
Research Abstract |
SNAREは小胞輸送の膜融合に関与するタンパク質である。我々は、動物細胞小胞体に存在するSNAREであるsyntaxin18を見いだし、このタンパク質がZW10、RINT-1、S1y1、NAG、BNIP1、p31、Sec22bと結合していることを明らかにした。本年度の研究では、ZW10/RINT-1のさらなる機能解析を行った。 1)順行輸送におけるZW10/RINT-1の役割の解明 a)ZW10に結合するゴルジ体局在タンパク質の同定 HeLa細胞や他の多くの細胞ではZW10は主に小胞体に存在するが、ラット由来のNRKやClone9細胞では、ZW10はゴルジ体に存在する。ゴルジ体においてZW10と結合する因子の同定を行うために、FLAG-またはGFP-ZW10のClone9細胞での安定発現株の作製を試みたが成功しなかった。発現したZW10のほとんどはサイトゾルに局在した。 b)BAP31のZW10/RINT-1結合部位の同定 BAP31は小胞体内の細胞周辺部と中心体領域の間を循環する3回膜貫通型タンパク質であり、ZW10/RINT-1と結合する。BAP31のZW10/RINT-1の結合部位を同定するために、Bap31の欠失変異体を作製した。その結果、3番目の膜貫通領域が結合に関与するというデータが得られたが、変異体の中には小胞体膜へのターゲティングが起こらなくなるものもあり、点変異などによってこの結果を確認する必要がある。今後、FLAG-BAP31を動物細胞に発現させ、FLAG抗体で免疫沈降を行い、ZW10/RINT-1とBAP31の結合を仲介するタンパク質を同定する予定である。 2)逆行輸送におけるZW10/RINT-1の役割の解明 a)Rabタンパク質とZW10/RINT-1の相互作用 ゴルジ体間から小胞体への逆行輸送にはRab6が関与することが知られている。そこで、GST Rab6活性型(GTP型)を大腸菌より精製し、精製タンパク質と培養細胞ライゼートを混ぜて、ZW10およびRINT-1が共沈降してくるかどうかを調べたが、沈降は認められなかった。 研究協力者:順行輸送の解析-若菜祐一、逆行輸送の解析一木榑猛(両名共、東京薬科大学・生命科学研究科・博士後期課程院生)
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