2007 Fiscal Year Annual Research Report
ホヤ神経系の細胞型を規定する転写制御ネットワークの解明
Project/Area Number |
18370089
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
日下部 岳広 University of Hyogo, 大学院・生命理学研究科, 准教授 (40280862)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / 発生・分化 / 発現制御 / 脳・神経 |
Research Abstract |
1.グルタミン酸作動性ニューロン特異的遺伝子の発現制御機構 小胞型グルタミン酸トランスポーター遺伝子(Ci-VGLUT)上流の種間で保存された非コード配列がグルタミン酸作動性ニューロン特異的な遺伝子発現に重要であることを明らかにした。この領域の配列解析およびホヤゲノムにコードされる転写因子の発現プロファイルから、POUファミリー転写因子の一つCi-POU-IVがCi-VGLUT遣伝子の発現調節に関わる可能性が示唆された。Ci-POU-IVのノックダウンを行ったところ、グルタミン酸作動性表皮ニューロンにおけるVGLuTの発現が消失した。この結果から、Ci-POU-IVの機能が表皮ニューロンにおけるCi-VGLUT遺伝子の発現に必要であることが示された。 2.GABA/グリシン作動性ニューロン特異的遺伝子の発現制御機構 小胞型GABAトランスポーター遺伝子(Ci-VGAT)は抑制性ニューロンであるGABA/グリシン作動性ニューロンで発現する。前年度までにVGAT上流に種間で保存された非コード領域をみいだしていた。蛍光レポーターを用いた機能解析の結果、上流の保存領域が、神経索前端部の2対の介在ニューロンでのCi-VGAT発現に必要十分であることが示唆された。in silico解析と遺伝子発現プロファイルに基づいて、この保存領域に結合する転写因子を推測した。 3.特定のニューロンで蛍光タンパク質を発現するトランスジェニック系統の樹立 各神経細胞サブタイプ特異的に蛍光タンパク質を発現するトランスジェニック(Tg)系統を作製した(筑波大学下田臨海実験センター、笹倉靖徳博士・堀江健生博士の協力による)。これらのTg系統の胚・幼生を用いて、特定ニューロンの単離と転写因子の機能解析を行っている。
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