2008 Fiscal Year Annual Research Report
カンキツ幼樹開花性関連遺伝子の探索とその分子機構および雄性不稔育種への利用
Project/Area Number |
18380026
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
若菜 章 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 准教授 (10158579)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 行生 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (60253514)
酒井 かおり 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (30403976)
|
Keywords | 園芸学 / 幼樹開花 / カンキツ / 雄性不稔 / 幼若性 / DNAマーカー / 遺伝子地図 / メッセンジャーRNA |
Research Abstract |
平静20年度の計画に従って以下の諸研究を進めた. (1)珠心胚実生を用いた幼樹開花条件の調査:これまでの各種温度条件下で生育させたグレープフルーツ珠心胚実生の幼樹開花条件の研究結果や1ヶ月毎に播種した実生の温室における幼樹開花結果を基に,1・2年生珠心胚実生を9月に基部3-4節を残して切り戻して10葉程度の葉数を持つシュートを発生させ、自然条件下で冬期の低温に遭遇させることによりさらに多数の実生が幼樹開花することを確定した(幼樹開花法を確立)。 (2)幼樹開花性に関連する候補遺伝子群の探索:開花条件と非開花条件で育成したカンキツ実生の茎頂からmRNAを抽出して逆転写DNAを作成し,多数のランダムプライマーを用いてPCRを行い,サブストラクション法によって幼樹開花実生に特異的なDNA候補断片を数個確認した. (3)幼樹開花性と雄性不稔性の遺伝解析:11月に播種した約20の交配組み合わせの雑種実生群について幼樹開花実生と雄性不稔実生の分離を調査した結果,細胞質稔性回復因子の存在がイヨカンのみで認められた.雄性不稔性に関する三つの核遺伝子の遺伝解析を行い,さらに詳細なデータを得た. (4)雄性不稔性に関するDNAマーカーの探索:HY16xグレープフルーツの交配から得た幼樹開花(雄性不稔と雄性稔性)実生を供試して,特に,RAPDマーカーについて探索した結果,さらに3つのマーカー(2つはグレープフルーツの劣性対立遺伝子と連鎖)を確認した.グレープフルーツにおける優性および劣性の雄性不稔性対立遺伝子に関する遺伝子地図をこれらのDNAマーカーを用いて作成した.
|
Research Products
(2 results)