2006 Fiscal Year Annual Research Report
中枢性疲労評価システムの構築と疲労制御を指向した食品開発基盤の整備
Project/Area Number |
18380080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 和生 京都大学, 農学研究科, 助教授 (80213148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 巧 京都大学, 農学研究科, 助手 (50283651)
大貫 宏一郎 九州大学, ユーザーサイエンス機構, 特任助教授 (50378668)
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Keywords | 疲労 / 行動学 / 食品 / 神経科学 / ストレス |
Research Abstract |
肉体的疲労を伴わない疲労モデルの確立 実験動物において、肉体的疲労を伴わない疲労モデルを確立することを目的として、コミュニケーションボックスを用いた実験系が利用できるかどうか検討した。コミュニケーションボックスはラットが電気ショックを受ける床面、および受けない床面を交互に格子状に配置しており、電気ショックによる肉体的ストレス、および電気ショックを受ける動物を見ることによる精神的なストレスを動物に与える装置である。この装置を用いて動物に2種のストレスを与えた結果、肉体的ストレスを受けた動物は同然のことながら、肉体的負荷がないと考えられるラットにおいても自発行動量の低下が認められ、精神的ストレスによって疲れたような行動が観察されることがわかった。このことから、この実験系が肉体的疲労を伴わない疲労モデルとして利用可能である事が示唆された。 抗疲労および迅速な疲労回復機能を有する食品のスクリーニングシステムの確立 動物の疲労に対し抗疲労、あるいは疲労回復作用を持つ食品(成分)をスクリーニングするため、動物に疲労を生じさせ、食餌成分が動物の疲労回復過程にどのように影響するかを検討することでその作用を評価する実験系の確率を試みた。低強度の歩行を1時間負荷することで軽度の疲労を生じさせ、その回復過程を自発行動量が回復する過程によって評価した。疲労の程度が軽度であるためある成分が疲労を回復する、もしくは増悪する作用があっても両方向の結果が検出できることを証明するため、行動量を増加させる作用を持つセロトニン再取込阻害剤、減少させる作用を持つドーパミンアンタゴニストを投与し、何も投与しないコントロールに対しそれぞれが見かけ上自発行動回復を早める作用、および回復を遅らせる作用を持つことを明らかにした。この結果からこの実験系が疲労に対し影響する食品成分の検出に利用できることが示唆された。
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