2008 Fiscal Year Annual Research Report
外来遺伝子侵入のリスク評価と在来資源の保全管理手法の解明:アサリをモデルとして
Project/Area Number |
18380114
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
北田 修一 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部・海洋生物資源学科, 教授 (10262338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸野 洋久 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00141987)
浜崎 活幸 東京海洋大学, 海洋科学部・海洋生物資源学科, 准教授 (90377078)
北門 利英 東京海洋大学, 海洋科学部・海洋生物資源学科, 助教 (40281000)
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Keywords | アサリ / 遺伝的集団構造 / 外来種 / 混合率推定 / 種苗放流効果 / 種苗放流の遺伝的影響 / 統計モデル / ベイズ推定 |
Research Abstract |
本研究では,外来遺伝子の侵入が在来集団に及ぼす影響やリスクを適切に評価することにより,在来集団の保全方策を解明することを目指している。 本年度は、中国および北朝鮮から輸入されているRuditapes bruguieri(中国アサリ,仮称)、日本のアサリR.philippinarumおよびヒメアサリR.variegatusついて、昨年までにアイソザイム分析を行った個体と同一標本を用いて、ミトコンドリアDNAのCOXI領域の塩基配列およびマイクロサテライトマーカー4遺伝子座における遺伝子型を決定した。大量標本の分析に先立ち、ミトコンドリアDNAでは、雌雄判別した個体を用いてDoubly uniparental inheritance(DUI)を確認し、F-typeの配列を集団解析に用いることとした。また、外部形態を計測し、多変量解析を行った。 その結果、中国アサリとアサリの遺伝的分化はヒメアサリとアサリの分化に比べ極めて小さいが、両種は明らかに遺伝的に異なる別種または亜種であることが明らかになった。しかし、形態ではこれらを明確に判別することはできないことがわかった。また、日本のアサリ集団内の遺伝的分化は小さく明確な集団構造は見られなかったが、地域によって遺伝的特徴が少しずつ異なっており、遺伝子流動の大きいメタ集団を形成していることが示唆された。 データ解析手法については、放流前の遺伝情報がなくても放流群の混合率を推定できる方法を新たに開発した。また、昨年までに開発した集団間の遺伝的分化の指標であるFstをほぼ不偏推定できる方法について、誰でも簡単に使えるソフトウエアを作成した。これらはウェブ上から無償でダウンロードできるよう現在準備を進めている。
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[Journal Article] Population genetic structure and variability of Pacific herring, Clupea pallasii, in the stocking area along the Pacific coast of northern Japan2008
Author(s)
Sugaya, T., M. Sato, E. Yokoyama, Y. Nemoto, T. Fujita, H. Okouchi, K. Hamasaki, S. Kitada
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Journal Title
Fisheries Science 74
Pages: 579-588
Peer Reviewed
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