2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテクノロジーが農業・食品分野に及ぼす影響評価と市民的価値の反映に関する研究
Project/Area Number |
18380138
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
立川 雅司 Ibaraki University, 農学部, 准教授 (40356324)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 滋郎 北海道大学, 理学部, 教授 (30179171)
|
Keywords | ナノテクノロジー / 農業・食料政策 |
Research Abstract |
20年度においては、(1)農業・食品分野へのナノテク応用に関する基本情報収集、(2)海外動向(研究開発、規制)の把握、(3)国内研究開発動向のヒアリング、(4)模擬的参加型テクノロジーアセスメント(ナノトライ)の企画および実践に取り組んだ。 (1)〜(3)を通じて、ナノテクの農業・食品分野への応用動向に関して、前年に引き続き国内外の動向を収集分析した。アメリカと欧州においては規制当局による公聴会などが行われると共に、リスク評価機関より科学的知見が公表されつつある。しかし、企業側からの情報開示が義務づけられていないために、市場化の正確な動向把握が困難であると共に、リスク評価に関する基礎的データが欠如していることから、以前として明確な規制方針を示す段階にはないとされている。この点はわが国も同様である。特に企業サイドには、現行食品の中にもナノサイズの物質が存在していることから、新規規制に対しては懐疑的な意見を示す傾向が見られる。 (4)では、2008年9月から10月にかけて、模擬的参加型テクノロジーアセスメントを企画・実践した。具体的には、サイエンスカフェ、グループインタビュー、コンセンサス会議という3つのイベントを開催(「ナノトライ」とよぶ)した。最後のコンセンサス会議では、専門家と市民との意見交換を経て、ナノテク応用品に関する市民提言をまとめることができた。市民提言に関しては、北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニットのウェブサイト(http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/nanotri/)に掲載すると共に、行政部局や研究機関に対して情報提供を行った。
|
Research Products
(4 results)