2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
Development of tolerant populations to climate warming in cool season grasses
Project/Area Number |
18380155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Zootechnical science/Grassland science
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
SUGIYAMA Shuichi Hirosaki University, 農学生命科学部, 教授 (00154500)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Keywords | 寒地型牧草 / 温暖化ストレス / ペレニアルライグラス / ヒートショック蛋白質 |
Research Abstract |
日本では1980年から現在まで7~9月の平均気温は毎年0.05℃の割合で上昇しており,このような急速な温暖化は,寒地型牧草が優占している地域での草地荒廃を生じるものと予想される。本研究は,寒地型牧草の温暖化に対するストレス反応も生理的メカニズムを解明し,温暖化に強い牧草品種の育成につなげることを目標にしたものである。 生物は,高温条件に対して熱ショックタンパク質を産生して高温下でのタンパク質の変成を抑制し,熱耐性を獲得することが知られている。現在,熱ショックタンパク質は,高温ストレス耐性に関与することが知られている唯一のメカニズムである。本研究では,寒地型牧草の高温耐性に熱ストレスタンパク質の発現がどのように係わっているか,熱ショックタンパク質の発現変化により温暖化条件下でも衰退しない高温耐性をもつ寒地型牧草品種の育成が可能かどうかを明らかにすることを目的としている。具体的には,以下の3つの課題を明らかにすることをめざしている。 (1) C3型牧草種の高温耐性が低い原因を,生長速度や光合成機能の温度反応の差異と熱ショックタンパク質の発現解析を通じて明らかにすること。 (2) 遺伝子組換え技術が確立され,ゲノムの塩基配列情報も集積されているペレニアルライグラスを材料に,高温耐性に関係する熱ショックタンパク質を同定し,その遺伝子をクローニングすることにより,遺伝子組換え手法で高温耐性をもつ形質転換植物を育成する可能性を検討する。
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