2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規Caged化合物を用いる光分解性ビオチン標識リンカーの開発
Project/Area Number |
18390009
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青木 伸 Tokyo University of Science, 薬学部, 教授 (00222472)
|
Keywords | ビオチン / アビジン / 光分解 / ドーパミン / 抗体 / ELISA |
Research Abstract |
(+)-ビオチン(Btn)は、アビジン(Avn)は非常に安定な複合体を生成する。その解離定数Kdは約1あり、通常の抗原-抗体複合体の100万倍も強く、実質上不可逆である。本研究は、申請者らが発見したC化合物を利用することにより、光分解性Btn標識試薬を開発する。中性pH、常温という温和な条件下、射によってリガンド-レセプター複合体をintactな状態で回収し、特異的レセプターの同定、構造解析うための全く新しいBtn-Avnシステムを提供することを目的とする。 平成20年度は、脳内神経伝達分子であるドーパミンを光分解性リンカーを介してビオチンに結合した化合物(Biotin-Dopamine-HQ)の合成を行った。Biotin-Dopamine-HQと抗ドーパミン抗体(lgG)、および二次抗体(抗lgG抗体)を用いてELISAを行い、Avn、 Biotin-Dopamine-HQ、 lgG、抗lgG抗体の四者の複合体が生成することを確認した。さらにAvn、 Biotin-Dopamine-HQ、 lgGの三元複合体に光を照射し、リンカーが分解できることを確認し、分解後のDopamine-lgGの、Westernblottingによる検出に成功した。以上の結果は、Bioorg. Med. Chem.に投稿し、受理された。 また本年度では、上記の化合物もよりも長いリンカーを有するビオチン標識リンカーの合成にも成功した。上記と同様にELISA、 Western blottingを行ったところ、リンカーの延長は抗体との複合体形成、光分解にDopamine-抗体複合体の回収率に大きな変化はなかった。本結果についても、論文投稿の準備中である。 さらに、本年度はパーキンソニズムの惹起分子であると考えられる分子(tethydroisoquinoline)の光分解性ビオチン標識体の合成にも成功した。今後、この分子に結合するターゲット分子の単離、精製を検討する予定である。
|
Research Products
(11 results)