2006 Fiscal Year Annual Research Report
スケルトン型同調刺激に対する体内時計遺伝子発現応答機構
Project/Area Number |
18390071
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柴田 重信 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10162629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀川 和政 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (80386664)
工藤 崇 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (10434284)
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Keywords | circadian / entrainment / food anticipation / dexamethasone / mouse |
Research Abstract |
最近の研究によると、ある種の薬物や給餌が非常に強力な同調機能を持っていることがわかった。ところで、現在生体の体内時計システムは視交差上核を中心とした時計(視交差上核依存性時計とよぶ)と視交差上核以外の場所を中心とした時計(視交差上核非依存性時計とよぶ)があることが分かってきた。メラトニンやセロトニン関連化合物は視交叉上核依存性時計をリセットすることが知られている。一方、視交差上核を破壊し、行動リズムがあるいは大脳皮質や肝臓のPer1,Per2遺伝子発現リズムが消失した状態で、アドレナリンやグルココルチコイドを注射したり、餌を一定時刻に当てると再び24時間のリズムを示すようになってくる。したがって、これらの薬物は、視交叉上核非依存性のリズムを同調できることになる。本研究では、この視交差上核非依存性リズム形成に関わる、給餌やデキサメサゾンの1日1回の投与もしくは、2回のスケルトン型投与を行い、視交差上核性のリズムに対する光のスケルトン型投与との差を調べた。その結果、(1)デキサメサゾンの噴霧投与や餌投与を1日1回行うと、肝臓のBmal1-lucの発光リズムの位相は同調した。(2)スケルトン型の餌投与もしくはデキサメサゾン投与を、朝晩の2回行うと、リズムの位相はあまりずれないことがわかった。つまり、位相の前進や後退が起こり結果的に位相が安定する方向に動いた。そこで、(3)次に、視交差上核を壊し、中枢からの時刻情報がない状態で実験すると、給餌を朝から始めると朝型に、夜から始めると夜型になることがわかった。つまり、最初の同調刺激が有効に働くことがわかった。本研究成果は、人の食生活を考える上で、有用な研究成果であると思われる。
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Research Products
(1 results)