2006 Fiscal Year Annual Research Report
TRPMCa2+チャネル群によるシグナル制御とその意義に関する分子医学的研究
Project/Area Number |
18390085
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 泰生 京都大学, 工学研究科, 教授 (80212265)
|
Keywords | シグナル伝達 / チャンネル / 化学遊走 / 炎症 / 活性酸素 |
Research Abstract |
TRPCチャネルはフォスフォリパーゼCの活性化とイノシトール3燐酸産生に強く連関している。今回、TRPC5は一酸化窒素(NO)や活性酸素を感知、活性化開口し、Ca2+を流入させることを示した。また、TRPC5は、血管内皮細胞の形質膜陥入構造カベオラにおいて、内皮型の一酸化窒素産生酵素eNOSと機能的複合体を形成し、内皮細胞におけるNO産生のpositive feedback loopを制御することがわかった。一方、TRPM2は過酸化水素(H2O2)などの酸化的ストレスにより活性化されるCa2+透過性チャネルであり、TRPM2を介したCa2+流入は細胞死を引き起こすことが明らかにされている。TRPM2は単球、好中球、およびリンパ球などの免疫応答細胞で高い発現が認められているが、これらの免疫細胞におけるTRPM2の細胞死以外の生理的役割は明らかにされていない。そこで、本研究では酸化的ストレスによるTRPM2活性化の果たす生理的役割を明らかにすることを目的とし検討を行った。TRPM2活性化機構解明にあたり様々なストレス応答シグナルに着目したところ、我々はextracellular signal-regulated kinase (ERK)がTRPM2活性化に重要な役割を果たしていることをつきとめた。また生理的役割についてはTRPM2発現が認められている単球細胞株U937を用いてH202によるサイトカイン産生に着目したところH2O2によるIL-8産生誘導にTRPM2を介したCa2+流入が関与することを明らかにした。また当研究室ではTRPM2KOマウスの作製に成功している。そこで、TRPM2KOマウスを用いて免疫応答細胞におけるTRPM2の生理的役割についても現在検討を行った。
|
Research Products
(6 results)