2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390086
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山中 伸弥 Kyoto University, 再生医科学研究所, 教授 (10295694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 誠人 京都大学, 再生医科学研究所, 助教 (10379539)
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Keywords | 分化多能性 / 初期化 / 再生医学 |
Research Abstract |
研究目的 私たちは最近、4つの転写因子を組み合わせてレトロウイルスで導入することにより、マウス胎児線維芽細胞から、ES細胞に類似した多能性幹細胞であるiPS(induced pluripotent stem)細胞を樹立することに成功した。本研究においては、初期化の分子基盤を理解するとともに、ヒト分化細胞からiPS細胞を樹立することを目的に、次の研究を行った。 研究結果 本年度は次の項目の研究を行う。 1.ヒト体細胞からのiPS細胞樹立 マウスで同定した4因子をヒト線維芽細胞に導入し、iPS細胞の樹立を試みたが、これまでのところ成功していない。ヒト細胞においては、他の因子も必要である可能性が示唆された。 2.ファミリー因子によるiPS細胞の樹立 マウスで同定した4因子(Oct3/4、Sox2、c-Myc、Klf4)にはそれぞれ複数のファミリー蛋白質が存在している。これらファミリー蛋白質によってもiPS細胞が樹立できるかを解析した。これまでにSox1やSox3でもiPS細胞が樹立できることが明らかとなった。 3.アデノウイルスによるiPS細胞の樹立 しかしレトロウイルスは染色体に取り込まれ周囲の遺伝子を活性化する可能性があり、安全性において問題がある。そこでアデノウイルスによる一過性発現でのiPS細胞樹立を試みたが、これまでのところ成功していない。 4.レトロウイルスの挿入部位の決定 4因子のレトロウイルスが感染した線維芽細胞の中でiPS細胞となるのは1%以下である。これはレトロウイルス挿入による5番目の因子の活性化が必須である可能性を示唆している。そこで複数のiPS細胞クローンにおけるレトロウイルス挿入部位を解析し、一部については挿入部位を決定した。
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Research Products
(18 results)