2007 Fiscal Year Annual Research Report
生命科学・医学の発展に対応した社会規範形成-生命倫理基本法の構築
Project/Area Number |
18390159
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
位田 隆一 Kyoto University, 大学院・公共政策連携研究部, 教授 (40127543)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森崎 隆幸 国立循環器病センター, バイオサイエンス部, 部長 (30174410)
山内 正剛 放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, チームリーダー (00260240)
甲斐 克則 早稲田大学, 法務研究科, 教授 (80233641)
増井 徹 医薬基盤研究所, 生物資源研究部, 主任研究員 (50150082)
玉井 真理子 信州大学, 医学部, 准教授 (80283274)
|
Keywords | 生命倫理 / ゲノム / 再生医療 / 臓器移植 / 生殖補助医療 |
Research Abstract |
本年度は、初年度に構築した基本的問題認識と研究枠組に基づいて、京都および東京での定例研究会に加え、班員の担当専門分野に係るサブ研究会、および年度末には国際ワークショップを開催した。対象は、いくつかの関連分野を個別的に取り上げるとともに、再生医療研究およびヒトゲノム・遺伝子解析研究を特にとりあげて、深い検討を加えた。 研究会で取り扱った個別テーマは、臨床コンサルテーション、英国ヒト組織法、ヒト試料の採取と利用、機関倫理審査委員会、同意等である。これらは生命倫理規範の対象となると同時に、規範の運用の上で現実に問題を生じうる事項である。遺伝子解析研究については、バイオバンクの生命倫理、個人遺伝情報の保護、遺伝子検査、DNA鑑定の意義等を検討した。また再生医療研究に関しては、研究用の卵子提供、iPS細胞の倫理問題、人クローン胚等を扱った。年度末に開催した「生命倫理法の構築」と題した国際ワークショップでは、8名の外国人研究者を迎えて、生命倫理基本法の可能性を追求するべく、韓国やシンガポールの生命倫理法の考え方との国際比較およびフィリピンの臓器移植行政令の意義について検討を加えるとともに、ES細胞研究やiPS細胞研究に対する倫理規範の問題を議論し、最後に生命倫理基本法の必要性について自由討論を行った。本研究の重要性は外国からの参加者にも極めて高く評価され、成果の発表が期待されている。 研究成果は、班員がそれぞれ機会を得て論稿を執筆し、また内外のシンポジウムで発表している。例えば、アジア生命倫理学会大会、台湾バイオバンクシンポジウム、レンヌ(仏)生殖医療における匿名性ワークショップ、エクサンプロバンス(仏)生命倫理シンポジウム、臓器売買タスクフォース会議等である。
|
Research Products
(23 results)