Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40204391)
丹羽 康則 自治医科大学, 医学部, 助教 (20406060)
津本 順史 自治医科大学, 医学部, 助教 (30364524)
天海 陽子 自治医科大学, 医学部, 助教 (00406034)
苅尾 七臣 自治医科大学, 医学部, 教授 (60285773)
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Research Abstract |
研究目的:高血圧は脳卒中の有力な危険因子であり,血圧と脳卒中の発症の関係にはこれまでも直線やJ字型などの報告がある。我々は,日本人の一般住民を対象として血圧と脳卒中の発症との関係を検討した。 方法:JMSコホート研究は,1992年に始まった住民を対象とした脳卒中および心筋梗塞の発症を追跡調査するコホート研究である。対象はベースライン時に血圧のデータがあり,脳卒中の既往がなく,追跡調査に同意した11,097人の男女(男4,315人,女6,782人)であった。収縮期血圧(SBP),拡張期血圧(DBP)をそれぞれ男女別に5分位に分け,脳卒中の発症について検討した。 結果:追跡期間は10.7年であった。脳卒中の粗発症率は,男性でSBP第1分位(〓113mmHg)が1000人年あたり1.6で最も低く,第5分位(SBP〓148mmHg)が10.0で最も高く,女性で第1分位(〓109mmHg)が1000人年あたり0.9で最も低く,第5分位(SBP〓148mmHg)が5.7で最も高かった。Cox比例ハザードモデルを用いて,年齢,喫煙,飲酒,総コレステロール,BMIを補正したところ,SBP第1分位に対して第2-5分位の脳卒中の発症のハザード比は,男性ではそれぞれ1.5(95%信頼区間:0.7-3.0),2.2(1.2-4.2),3.0(1.7-5.5),4.2(2.4-7.6)で,女性では,12(0.6-2.4),1.5(0.8-2.9),2.2(1.2-4.1),3.1(1.7-5.6)であった。DBPも同様の結果であったもののSBPの方がより直線関係が強かった。 結論:日本人の一般住民においてSBPおよびDBPは脳卒中の発症と直線的な関係があった。DBPに比べてSBPの方が脳卒中の予測因子としては,強いと思われた。
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