2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本人における循環器疾患の発症要因に関する研究成果の還元方法に関する検討
Project/Area Number |
18390198
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
石川 鎮清 Jichi Medical University, 医学部, 准教授 (70306140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40204391)
苅尾 七臣 自治医科大学, 医学部, 教授 (60285773)
島田 和幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (90145128)
中村 好一 自治医科大学, 医学部, 教授 (50217915)
岩花 弘之 自治医科大学, 医学部, 教授 (80291623)
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Keywords | 脳卒中 / 心筋梗塞 / 一般住民 / コホート研究 / 循環器疾患危険因子 |
Research Abstract |
背景:心血管疾患のリスクを推定するのにリスクチャートが使用される。しかし、その多くは欧米のものである。死亡率を基にしたリスクチャートは日本のものがある。JMSコホート研究の心血管疾患発症のデータを用いて、脳卒中および心筋梗塞のリスクチャートを作成した。方法:JMSコホート研究は心血管疾患を対象とした地域ベースのコホート研究である。ベースラインデータは1992年から1995年に収集された。今回の解析では、脳卒中の場合、脳卒中の既往のない12,276人を、心筋梗塞の場合、心筋梗塞の既往のない12,323人を対象とした。結果:追跡期間は脳卒中で10.7年、心筋梗塞で10.9年であった。解析対象者における全脳卒中は男性で190例(うち、脳出血41例、脳梗塞136例、くも膜下出血13例)で、女性で165(うち脳出血38例、脳梗塞87例、くも膜下出血39例、分類不能1例)であった。心筋梗塞では、男性64例、女性28例であった。Cox比例ハザードモデルを用いて性、年齢、喫煙、糖尿病、収縮期血圧と10年間の絶対リスクの関連についてリスクチャートを作成した。全脳卒中、脳梗塞は年齢、収縮期血圧とともに上昇していた。脳出血は全体的には脳梗塞よりリスクが低かったにもかかわらず、危険因子との関連は同様のパターンを示した。心筋梗塞では、男女別に、年齢、喫煙、糖尿病、収縮期血圧、総コレステロールを用いた。脳卒中では、総コレステロールが有意な関連がなかったためリスクチャートには含めなかったが、心筋梗塞では、発症率が心筋梗塞より低いものの総コレステロールが高い方が発症率が上昇する傾向にあった。結論:これらのリスクチャートは個々人の脳卒中のリスクを推定する必要がある臨床医や他の健康関連職業従事者には有用であると思われる。
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