Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 清子 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (40340278)
竹田 徳則 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (60363769)
村田 千代栄 浜松医科大学, 医学部, 助手 (40402250)
尾島 俊之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50275674)
平井 寛 日本福祉大学, 地域ケア研究推進センター, 主任研究員 (20387749)
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Research Abstract |
本研究の目的は,介護予防に向けて「健康の社会的決定要因」を明らかにすることであった. 1.横断分析:最長職業が管理職であった者に比べ販売サービス職で合った者では,退職後2.5倍も状態が多いことなどを明らかにし学会報告した.その成果は新聞報道された. 2.コホート研究:2003年調査データをベースラインとし,9702人を3年間追跡した.その結果,多くの健康の社会的決定要因の要介護認定のオッズ比が有意に高いことが判明した。例えば,男性の要介護認定のオッズ比を見ると,教育年数が6年未満で2.62,友人に会う頻度が月に一回未満で1.45などであった.認知症をエンドポイントとした分析では,趣味の中でも園芸やスポーツ的な趣味が,有意に認知症予防に良いことが明らかとなった. 3.コミュニティレベル因子の研究:個人の社会経済的な要因を考慮しても,地域レベルのソーシャル・キャピタルやGini係数がそこに暮らす高齢者の健康に関連をしていることを日本で初めて実証した.また,ソーシャル・キャピタルやその構成要素である社会的ネットワークの垂直型と水平型の二つのタイプのうち,水平型が残歯数と有意な関連を示すことを検証した.また,所得が同じでも,同年齢同学歴など似たグループ内における相対的な位置が低い者ほど,要介護認定を受けやすいことも検証した.介護予防を志向したソーシャル・キャピタル理論を基礎とした介入研究を進め,その効果が中間アウトカム指標において見られることを検証した. 4.政策への応用に向けた研究:糖尿病やうつ,自殺において「健康の社会的決定要因」が重要であることやヨーロッパの政策動向など,社会政策への応用に向けた研究も進め報告した. 以上の成果を,雑誌,書籍,マスコミなど,多様な媒体を通じて研究成果を公表した. 本研究によって,個人・地域レベル双方の健康の社会的決定要因が、介護予防において重要な要因があることを明らかに出来た.
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