2007 Fiscal Year Annual Research Report
特発性肺胞蛋白症において抗サイトカイン自己抗体はなぜ増加するのか?
Project/Area Number |
18390240
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中田 光 Niigata University, 医歯学総合病院, 教授 (80207802)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 義一 近畿中央胸部疾患センター, 呼吸不全研究部, 研究部長 (90240895)
中垣 和英 日本獣医生命大学, 獣医学部, 准教授 (90143635)
田澤 立之 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70301041)
|
Keywords | 肺胞蛋白症 / 抗GM-CSF自己抗体 / 気管支肺胞洗浄 / PDLI / 自己免疫疾患 / ケモカイン |
Research Abstract |
平成18年度に引き続き、19年4月-20年3月までは、特発性肺胞タンパク症(自己免疫性肺胞タンパク症)の末梢血及び気管支肺胞洗浄液中のマクロファージ、リンパ球のFACS解析を行った。 末梢血では、リンパ球中でもT細胞とNK細胞の減少が見られた。サブセットではCD8陽性細胞が減少していた。CD4T細胞のうち、memory,effectorの数は減少していないが、naive T細胞が減少していた。興味深いことにCD4T細胞の一部はautoMLRで増殖期に入っており、活性化していることが示唆された。CD19陽性B細胞では、B1 cell,B2 cellの割合は健常者と変わりないが、CD138陽性形質細胞の割合が上昇していた。単球では、CD86陽性細胞の割合は変わらないが、抑制性のシグナルに関与するPDL1の発現が低下していた。この低下は、単球をGM-CSF存在下で培養することで、回復した。 以上のことから、本症では、抗GM-CSF自己抗体の存在により、単球マクロファージのPDL1の発現が低下し、抑制性のシグナル伝達障害により、T細胞の活性化やB細胞の成熟促進がおこるのではないかと思われる。一方、患者肺胞洗浄液では、リンパ球の増加が見られ、洗浄液中のMCP-1濃度と相関していた。また、抗GM-CSF自己抗体価とMCP-1濃度に相関が見られた。肺においては、GM-CSFシグナル伝達障害により、MCP-1濃度が上昇し、リンパ球の遊走と流入が起こると思われる。
|
Research Products
(14 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Anti-cytokine autoantibodies are ubiquitous in healthy individuals.2007
Author(s)
. Watanabe M, Uchida K, Nakagaki K, Kanazawa H, Trapnell B. C., Hoshino Y, Kagamu H, Yoshizawa H, Keicho N, Goto H, and Nakata K.
-
Journal Title
FEBS Letters 581(10)
Pages: 2017-2021
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 今日の診断基準2007
Author(s)
泉 信有, 中田 光
Total Pages
118
Publisher
南江堂
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
-
-