2006 Fiscal Year Annual Research Report
造血器腫瘍の遺伝学的基盤等に関する網羅的ゲノム研究
Project/Area Number |
18390279
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 誠司 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60292900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊野 恵城 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (90396721)
半下石 明 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (20344450)
浅井 隆司 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10376436)
鈴木 隆広 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40345210)
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Keywords | 癌 / 遺伝学 / マイクロアレイ / 白血病 / アレル不均衡 |
Research Abstract |
造血器腫瘍の発症には、造血細胞に生じたゲノム・エビゲノムの異常が関与するとともに、先天的な遺伝学的背景がこれを修飾する可能性が疫学データより推定されている。本研究の目的は、近年のマイクロアレイ技術を用いて、造血器腫瘍の発症に関わるゲノム・エビゲノムの異常を探索・同定するとともに、大規模SNPタイピングによる遺伝疫学的手法により、その発症に関わるゲノム・遺伝子の多型の同定を試みる。平成18年度は、Affymetrix社のSNPアレイを用いた網羅的なゲノムコピー数・アレル不均衡の解析システムAsCNARを開発し、これを用いて急性白血病および悪性リンパ腫を含む種々の病型を含む1500例以上の造血器腫瘍検体について、造血器腫瘍におけるゲノム異常の探索を行った。 造血器腫瘍検体におけるゲノムコピー数・アレル不均衡の解析では、SNPアレイの高い解像度を利用して、多数の腫瘍特異的なゲノム異常が同定され、さらに、これらの領域にコードされる遺伝子の変異解析から、急性リンパ性白血病におけるPAX5遺伝子の異常、骨髄増殖性疾患におけるcMPLなど、腫瘍化に直接関わると考えられる遺伝子の変異ないしその候補を多数同定することに成功した。 一方、造血器腫瘍の発症に関わる遺伝学的多型の解析については、健常人末梢血および造血器腫瘍患者の寛解期検体、各1000例について、50万SNP座に関する遺伝子型の決定を行った。今後健常人および造血器腫瘍患者、各2000例のSNPタイピングを行い、全ゲノム関連解析により標的遺伝子多型の同定を試みる。
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Research Products
(5 results)