2007 Fiscal Year Annual Research Report
免疫応答・炎症反応に対するカチオントランスポーターの関与とその制御
Project/Area Number |
18390287
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 一彦 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 教授 (80191394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 哲治 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50235470)
川畑 仁人 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70334406)
藤尾 圭志 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70401114)
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Keywords | 免疫学 / ゲノム / 内科 / 遺伝学 |
Research Abstract |
最近ゲノム疫学的研究から,免疫応答や炎症反応に(有機)カチオントランスポーターであるSLC22A4が関与している可能性が示唆されてきた。我々は仮説なしの全ゲノム解析で日本人の関節リウマチ患者とSLC22A4の第1イントロンの一塩基多型(single nucleotide polymorphism以下SNP)が関連していることを報告し,続いてPeltekovaらはSLC22A4のアミノ酸置換を伴ったSNP,およびこれと連鎖不平衡にある隣接の同様の有機カチオントランスポーター遺伝子SLC22A5のプロモーターのSNPが,クローン病と関連があることを報告した。RAとクローン病という免疫異常と炎症が特徴の2つの異なる疾患との関連が示唆されたことから,有機カチオントランスポーターが免疫応答ないし炎症反応にかかわっている可能性は高い。 本研究ではSLC22A4の機能解析を行い,この有機カチオントランスポーターが如何に免疫,炎症反応に関わっているかを明らかにし,さらにこの分子を制御することで免疫,炎症反応をコントロールできる可能性を明らかにすることを目的とした。 まずsiRNAによる内因性SLC22A4発現の制御系の立ち上げをおこなった。候補の物質であるergothioneineを主目標とした場合,細胞内での半減期は全く不明であり,長期的な抑制で初めてergothioneineの細胞内濃度が変化する可能性も考え,一時的な系に加えて,恒常的抑制系も行なった。現時点では抑制は確認されたが,炎症に関与する分子への影響は明らかでない。次にSLC22A4の遺伝子導入による強制発現系を立ち上げた。SLC22A4を発現していない細胞(Jurkatなどを候補とする)にプラスミド遺伝子導入法およびレトロウイルス遺伝子導入法により恒常的発現系を樹立した。細胞内にergothioneineをトランスポートさせ,刺激による遺伝子発現を検討している。
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