Research Abstract |
DAF(CD55)及びGnT-IIIを同時発現するα1,3GT-KOブタの糖鎖抗原をレクチンプロット法により解析した。ブターヒト問の比較では、ブタ血管内皮は、α-Galと関連するGSI-B4,GSI-A4だけでなく、末端GalNAcを示すSBA,HPA,WFAのシグナルが特徴的に高値を示した。一方ヒト内皮は、α1,2フコースやα2,3シアル酸を認識するUEA-1,MAL,ECAが高値を示した。2.KOとwild-typeブタの比較では、KOはGSI-B4,GSI-A4のシグナルだけでなく、SBA,HPA,BPLシグナルも減少し、末端のGalNAcやGalbl-3GalNAcの減少を示した。一方、SNA,SSA,TJA-Iが上昇し、α2,6シアル酸の上昇を示した。 DAF発現ブタ細胞由来のPERVはヒト血清への抵抗性を上げる。今回、遺伝子導入分子の大きさとPERV上での機能を検討した。DAFの重合分子を作製(single,double,triple,tetra)、これらを発現するCHO細胞、およびPECのlineを作製した。各分子の補体抵抗性は、CHO cellの細胞障害性で、naive CHO:85.7%の際,single:45.3%,double:10.1%、triple:0%、tetra:0%であった。Lac Z assayでは、Parentalが10%NHSにより感染力が3-13%まで低下した際、doubleを発現するPEC(Z)/PERV-Bでは32-62%とヒト補体に抵抗性を示したが、triple,tetraを発現するPEC(Z)/PERV-Bでは7-20%、5-14%とヒト補体に対する抵抗性は減弱した。遺伝子導入した補体制御因子が、分子の大きさによりPERV上での発現に差がでることが示唆された。
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