2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体肝移植における過小グラフトの血行動熊に関する臨床研究
Project/Area Number |
18390370
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
川崎 誠治 Juntendo University, 医学部, 教授 (80177667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 陽一 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20260490)
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Keywords | 生体肝移植 / 左葉グラフ / 過小グラフト症候群 / グラフト障害 / 肝血行動態 |
Research Abstract |
成人間生体肝移植における左葉グラフトは過剰な門脈血流負荷がかかり、グラフト障害を来す可能性がある。今回、移植時に門脈血流量調節の必要があるかを検討した。左葉グラフトを用いた成人生体肝移植19例中、門脈圧を測定した11例を対象とした。移植前の門脈圧が20mmHg未満を低圧群、20mmHg以上を高圧群に分け、移植前後での血行動態を検討した。低圧群では移植後に門脈圧は有意に上昇した(13→20mmHg)。高圧群では有意な変化は認めなかった(26→22mmHg)。移植後の門脈圧は両群問で差を認めなかった。門脈血流量は低圧群では移植の前後で有意な変化は認めなかったが(1,108→732m1/min)、高圧群では移植後に有意に上昇した(625→1,464ml/min)。高圧群、低圧群ともにグラフト不全となった症例は認められなかったが、移植前に門脈圧が高い症例では移植後に血流増加が認められ、術後に過剰な腹水が認められた。今回の検討で門脈圧の上昇により、類洞圧が上昇し、腹水量が増加することが予想された。移植後の門脈圧が20mmHg以上になると高ビリルビン血症や凝固障害を来し、グラフト不全に陥る可能性が高くなることが報告されている。今回の検討でも一日腹水量が1000mL以上の症例では門脈圧が20mmHgを超えており、門脈圧が高い症例ではなんらかの血流調節をした方が、術後管理の点からは有利であると考えられた。
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Research Products
(2 results)