2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍高発現分子合成ペプチドによる賦活化樹状細胞を用いた標的細胞療法の臨床応用
Project/Area Number |
18390395
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若林 俊彦 Nagoya University, 医学部附属病院, 准教授 (50220835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 純 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40158449)
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Keywords | 樹状細胞 / 脳腫瘍 / 分子標的 / IL13 / 国際標準化機構(ISO) / 細胞療法 / 細胞障害性活性化リンパ球 / グリオーマ |
Research Abstract |
本研究の本年度の脳腫瘍に対する樹状細胞療法の成果は、悪性脳腫瘍症例に実際に臨床応用を開始した点が特筆される。まずは、脳腫瘍症例のHLAタイピングを実施。現時点では、HLA-A2のみならず、HLA-A24拘束性の抗原ペプチドも同定精製出来たことから、このどちらかのタイプを示した場合には、摘出腫瘍細胞にIL13受容体の発現があるかを免疫組織染色で確認。その発現が良好である場合に、今回の治療の対象となる。現時点では、脇腫瘍の80%の症例が対象となると推察されている。ICを獲得後、症例から、アフェレーシス法で末梢血単核球を収集し、そこからClini MACSを用いて、CD14陽性細胞を選択的に抽出する。その後、国際標準化機構ISO9001:2000及びISO13485:2003の管理体制下にある細胞調製施設を使用して、IL-4とGM-CSFを用いて樹状細胞を育成し、6日間培養の後に、IL13受容体alpha2鎖由来ペプチドを用いて、抗原提示細胞を作製した。この細胞を用いて、合計4症例に対して実際の樹状細胞療法が実施され、合計16回に及ぶ樹状細胞投与が施行された。その結果、本治療法の安全性が全症例にて確認され、また、細胞投与部分の皮内反応が確認されたり、画像診断上の有効性や組織診断による有効性が一部の症例に確認でき、今後の治療法の展開に重要な情報が獲得され、臨床応用への大きな福音となった。他の医療分野から研究面で遅れていた脳腫瘍の樹状細胞療法或は細胞障害性活性化リンパ球療法が、殺細胞効果と静細胞効果を併せ持つ、浸潤性悪性脳腫瘍の新たな治療法として位置づけられる可能性がある。
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Research Products
(66 results)