2006 Fiscal Year Annual Research Report
メダカ咽頭歯器官培養系を用いた歯の再生実験モデルの確立と幹細胞の探索
Project/Area Number |
18390485
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高野 吉郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (90126425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺島 達夫 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (20114770)
馬場 麻人 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (90251545)
井関 八郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 技術専門職員 (00401373)
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Keywords | メダカ / 咽頭歯 / 歯の再生 / 器官培養 / 幹細胞 / 実験モデル / 硬組織 / 組織化学 |
Research Abstract |
小型硬骨魚メダカの咽頭には上下顎それぞれに長さ2-3mmほどの咽頭骨が1対あり、成魚ではそこに併せて1000本以上の歯が植立している。これらが常に新生と交換を繰返していると考えられることから、我々はメダカ咽頭歯骨ユニットは歯の形成と交換の仕組みを探る上での優れたモデルシステムとなり得る可能性が高いと考えている。しかし現在、メダカ咽頭歯の形成過程や脱落、交換の仕組みの詳細は殆んど知られていないのが実情である。そこで我々は、研究初年度に、先ずメダカ咽頭歯とその支持骨の発生と発達の経過を主に形態学的手法で明らかにし、その過程で発現する機能分子の消長を検討することとした。 具体的には以下の実験および解析を行なった: 1.機能歯と歯胚を含むメダカ咽頭歯骨ユニットの立体構築を、軟X線、マイクロCT、走査電子顕微鏡観察、光顕連続切片の三次元立体復構モデルの作製を行なって解析した。解析はまだ途中の段階であるが、研究2年目の早い段階で立体構築の全容を明らかにすることができる見込みである。 2.メダカ咽頭歯の発生から脱落までの過程を光顕、電顕的に観察するとともに、それに同期した咽頭骨、歯足骨の形成と吸収の様相を造骨、破骨細胞の活性と併せて解析を行なった。これまでの解析により、メダカ咽頭歯の歯胚上皮(エナメル器)には、高等脊椎動物とは異なる機能分子が発現していることが確認されている。また、メダカでは全身骨格のうち、活発な骨改造が認められるのは顎骨と咽頭歯骨部のみであること、すなわち歯と歯胚が存在する領域に於いてのみであることが明らかとなり、骨系細胞の分化・機能制御に関わる何らかの因子が歯胚から産生されている可能性があることが示唆された。 3.摘出したメダカ咽頭歯骨ユニットの培養条件の検討を開始した。
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Research Products
(7 results)