2007 Fiscal Year Annual Research Report
メダカ咽頭歯器禽培養系を用いた歯の再生実験モデルの確立と幹細胞の探索
Project/Area Number |
18390485
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高野 吉郎 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90126425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 純 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (20243248)
馬場 麻人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90251545)
井関 八郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 技術専門職員 (00401373)
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Keywords | メダカ / 咽頭歯 / 歯の再生 / 歯の交換 / 器官培養 / 実験モデル / 硬組織 / 組織化学 |
Research Abstract |
メダカの上咽頭部には左右に伸びる約12条の歯列が前後方向に配置し、下咽頭部では同様に6ないし7条の歯列がある。上顎ではそれぞれの歯列に前後にややずれた2列の機能歯が配列し、下顎はより小型の歯が1列に配列している。今年度、我々はメダカ咽頭歯の形成から脱落までの過程を詳細に検討し、以下のことを明らかにした。 1.メダカ咽頭歯の代生歯歯胚は機能歯の後方に粘膜上皮の指上の伸出しとして形成され、口腔粘膜上皮との連絡を維持したまま硬組織形成が進行する。 2.硬組織形成の進行とともに歯は口腔側へ移動するが、それに呼応して下方から咽頭骨が造成し、歯胚下方に歯足骨が形成される。 3.歯冠エナメロイドが僅かに口腔内へ露出した段階で歯の萌出移動は完了し、歯は歯足骨と線維結合する。下顎歯は結合部が早期に石灰化し、骨性結合を呈する。 4.各歯列の機能歯の基部および歯足骨、咽頭骨には常時多数の破骨細胞が局在し、主に吻即から尾側へ向かう骨吸収が進行している。 5.吸収され支えを失った歯は口腔内へ脱落するのではなく、歯列前方の結合組織中に埋没して更に吸収を受け、次第に消失する。 淡水小型魚であるメダカでは、咽頭歯骨部のリモデリングによるカルシウム調節が活発であるが、メダカにはリモデリングの結果脱落した多数の歯をすべて吸収し、そのミネラルを再利用するシステムが備わっていることが明らかとなった。歯の交換周期の確認と幹細胞特定の試みは現在進行中である。
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Research Products
(21 results)