2008 Fiscal Year Annual Research Report
メダカ咽頭歯器官培養系を用いた歯の再生実験モデルの確立と幹細胞の探索
Project/Area Number |
18390485
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高野 吉郎 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90126425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 純 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (20243248)
馬場 麻人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90251545)
井関 八郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 技術専門職員 (00401373)
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Keywords | メダカ / 咽頭歯 / 歯の再生 / 歯の交換 / 器官培養 / 実験モデル / 硬組織 / 組織化学 |
Research Abstract |
咽頭歯骨部の器官培養系の開発 歯胚が発達する咽頭歯骨部は粘膜固有層が疎であり、特に歯胚周囲はリンパ洞が発達しているため物質の拡散性が高く、器官培養に適している。しかし咽頭歯骨部の器官培養試料は口腔への露出部を含むため、前処理として入念な消毒殺菌処置が必要である。あらかじめグリーンFゴールド添加水にて2〜4日間絶食飼育したメダカから咽頭歯骨部を摘出し、ヒポクロ・PBSとファンギゾン・PBSで処理してから培養を開始した。一部は実体鏡下で機能歯5本分程の厚さにスライスしてからヒポクロ・PBS,とファンギゾン・PBSで処理した。培養液はアスコルビン酸と抗生物質を含む10%FCS加L15とし、26℃空気雰囲気で2〜9日間培養して高成績が得られた。一部試料は培養下でセルウオッチャー^<[○!R]>によるタイムラプスムービーを撮影し、器官培養下における咽頭歯の脱落・交換の様相を観察した。タイムラプス観察により培養24〜48時間で複数の機能歯が倒壊し、粘膜固有層内へ沈下する様相が確認された。組織像のデータと併せ、本培養結果はメダカ咽頭歯が交換に際して口腔内へ脱落するのではなく、粘膜固有層へ沈埋し破骨細胞によって吸収されることが明らかとなった。 培養下における機能歯の新生はまだ確認されていないが、培養試料ではvivoの咽頭歯骨部に特徴的な活発な骨の吸収と形成活動が維持されており、培養下での歯の交換の進行が期待されることから、メダカ咽頭歯骨部器官培養系の有用性が示された。 今後は本実験系に基づく培養系の改良を進め、培養下での次世代歯胚の新生と歯の幹細胞の同定、分化誘導因子の特定を目指す。
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Research Products
(20 results)