2007 Fiscal Year Annual Research Report
外分泌腺における水チャネル、特にアクアポリン5の発現と機能調節の分子機構
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18390493
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
細井 和雄 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイ拶イエンス研究部, 助教 (10049413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 徹也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80294700)
姚 陳娟 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20432750)
長谷川 敬展 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50447273)
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Keywords | アクアポリン / 唾液腺 / カテプシン / 副交感神経 / 塩酸セビメリン / MDCK細胞 / トラフィッキング / GFP-AQP5キメラ分子 |
Research Abstract |
本研究では、主として(1)唾液腺AQP5発現の神経系による調節、(2)自然発生AQP5変異遺伝子およびその蛋白質産物の機能研究、の課題を掲げ、これらを究明することにより、外分泌腺における水チャネル、特にアクアポリン5の発現と機能調節の分子機構を明らかにしようとした。(1)自律神経系による顎下腺水チャネルの発現調節について、AQP 5を中心に調べ、副交感神経切除(鼓索神経切除=CTD)が、AQP5蛋白質の発現減少させることを見出した。そしてこのAQP5蛋白質減少はAQP5 mRNAの減少、即ち転写抑制によのではなく、AQP5のリソゾーム系への輸送促進によるものと考えられた。また、M3アゴニストであるセビメリンの投与はCTDによって減少したAQP5レベルを再び上昇させた。M3受容体の関与についてはノックアウトマウスを用いてさらに検討する。(2)私たちは、自然発生的にSDラットにおいてAQP5遺伝子の膜貫通領域にポイントミューテーションが存在し、AQP5蛋白質の103^Gly>103^Aspへの変異が存在する事を見いだした。また、変異動物の顎下腺では腺房細胞におけるAQP5の発現は著しく低下し、初期唾液分泌も減少した。唾液分泌減少がAQP5機能といかに関係するかを究明した。まず、Xenopus oocyteとAQP5 cRNAを用いて水輸送機能を調べたところ、この変異AQP5蛋白質の水輸送機能は正常AQP5とほとんど変らないことを見出した。一方、正常および変異AQP5のGFPとのキメラ分子c DNAをMDCK細胞に遺伝子導入し、発現蛋白質の動態を調べたところ、種々の生理条件化で、変異AQP5-GFPキメラ分子は細胞膜へのトラフィッキング速度等が正常分子よりも遅いことを明らかにした。また、変異AQP5はlate endosome、early endosomeと共局在したことからトラフィッキング異常をもたらす変異ラットではリソゾーム系へのソーティングが亢進し、AQP5の分解が亢進していると考えられた。腺房細胞におけるAQP5の発現低下、それによる初期唾液分泌の減少は、トラフィッキング異常とリソゾーム系へのソーティングの亢進によるものと考えられた。
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Research Products
(13 results)