2008 Fiscal Year Annual Research Report
外分泌腺における水チャネル、特にアクアポリン5の発現と機能調節の分子機構
Project/Area Number |
18390493
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
細井 和雄 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10049413)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 徹也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80294700)
姚 陳娟 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20432750)
長谷川 敬展 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50447273)
|
Keywords | アクアポリン / 唾液腺 / カテプシン / 副交感神経 / 塩酸セビメリン / MDCK細胞 / トラフィッキング / GFP-AQP5キメラ分子 |
Research Abstract |
本年度は(1)唾液腺における水チャネル、アクアポリン5(AQP5)の神経系による制御、(2)AQP5トラフィッキングにおけるリン酸化部位、152SRRTSの働き(3)胎生ラット唾液腺におけるサチライシン様プロ蛋白質変換酵素、PACE4/SPC4の役割について調べ、以下の結果を得た。(1)顎下腺のAQP5は顎下腺を支配している自律神経の内、副交感神経切除によってその発現レベルは減少した。この減少はmRNAの現象に基づくものではなく、AQP5のリソゾーム系酵素による分解の促進または分解系の活性化により起こることが明らかとなった。またムスカリン受容体アゴニストであるセビメリンを用いた実験から、この副交感神経支配はM3ムスカリン受容体を介するものであることを明らかにした。 (2)AQP5分子にはループDに蛋白質リン酸化酵素A(PKA)の標的配列、152SRRTS、がある。この配列中、2個のセリンおよびスレオニンをそれぞれアラニン、バリンに変異させた蛋白質産物を与える遺伝子を構築した。この遺伝子の5'-側にさらにGFP遺伝子を繋いだ。このPKAコンセンサス配列がリン酸化されないGFP標識分子をMDCK-II細胞に発現させ、非リン酸化分子の細胞膜側へのトラフィッキングを調べた。その結果、リン酸化を抑制することにより、細胞内から細胞膜へのトラフィッキングは促進されることが分かった。 (3)胎児組織培養顎下腺においてsiRNAをもちいてPACE4/SPC4 mRNAを抑制すると、唾液腺の分枝形成およびAQP5発現が著明に抑制された。PACE4/SPC4は唾液腺発生に関与する成長因子を活性化するものと考えられた。
|
Research Products
(10 results)