2006 Fiscal Year Annual Research Report
4回膜貫通蛋白質テトラスパニンの癌転移抑制機構を利用した新規口腔癌治療法の開発
Project/Area Number |
18390499
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉浦 剛 九州大学, 大学病院, 助手 (40322292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 充子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (10361445)
白砂 兼光 九州大学, 歯学研究院, 教授 (30093420)
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Keywords | CD82 / テトラスパニン / DNAマイクロアレイ / シグナル伝達 |
Research Abstract |
テトラスパニン・スーパーファミリーに属する癌転移抑制因子CD82/KAI-1は他の細胞膜表面の受容体や蛋白質と結合することにより結合蛋白質の生物学的活性を調節すると考えられている。我々はこれまでに多くの癌悪性形質の発現と関わる肝細胞成長因子(HGF)の受容体であるc-MetとCD82の相互作用に注目し研究し、CD82がc-Metと複合体を形成し、c-Metアダプター蛋白質の結合を阻害することによりCdc42,Rac1の活性化を抑制しHGF刺激による癌細胞の遊走を抑制することを明らかにした。このようにCD82は細胞表面の様々な蛋白と結合することによりその機能を制御することが予想される。そこで本研究ではマイクロアレイによる網羅的解析手法を用いてCD82による転写解析、シグナル制御解析をおこなった。CD82を強制発現させた癌細胞株およびその親株を解析対象としてDNAマイクロアレイを行った。その結果zinc finger protein, PDLIM4 proteinにおいて20倍以上の遺伝子発現亢進、Rho GDP, β1β4 integrin, gap junction proteinの著明な発現低下が認められた。データマイニング解析を行うと、CD82発現により細胞間コミュニケーション、受容体シグナル(特にG蛋白)に関連する遺伝子群が有意に変化を受けることが明らかとなった。これらの結果はc-Metやその下流シグナルに関するこれまでの研究結果を裏付けるものであった。
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