2007 Fiscal Year Annual Research Report
発生過程を再現する象牙質再生技術の開発-歯胚や歯髄の不死化細胞株樹立とその応用-
Project/Area Number |
18390514
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
完山 学 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90294420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
松香 芳三 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90243477)
上原 淳二 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10379836)
園山 亘 岡山大学, 医学部・歯学部付属病院, 助教 (40325121)
土本 洋平 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (20423311)
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Keywords | 歯髄幹細胞 / 遺伝子導入 / Shh / 歯胚 / 上皮間葉相互作用 |
Research Abstract |
昨年度単離したヒト抜去歯の歯髄細胞から歯髄幹細胞やhTERT遺伝子を導入したラット歯髄細胞(T4-4 cell)に対して,上皮間葉相互作用に関連している既知の成長因子であるShhを添加し,Shhが象牙芽細胞の増殖・分化に与える影響を調べた結果,Shhはこれら歯髄幹細胞の増殖を促進するだけでなく,分化をも促進することが明ちかになった。そこで今年度の実験では,このShhをDNAプラスミドに組み込み,遺伝子導入法を中心に解析を行った。 1.Shh遺伝子導入のためのDNAプラスミドの作製 1)ヒトShhのN末端部分(1-600)をpCMV-scriptベクターに組み込むことに成功した。 2)このベクター(pCMV-hShh)をコンピテントセル(DH10B)にトランスフォーメーション後,大量培養し,高濃度のpCW-hShhを得ることができた。 2.pCMV-hShhの歯髄幹細胞への導入 1)これまでの報告では象牙芽細胞はShhの遺伝子を発現していないことが確認されている。そこで歯髄幹細胞からRNAを抽出し,shh, ptc-1, smo, g1i-1などのShh関連遺伝子のRT-PCRを行った。その結果,確かに歯髄幹細胞においてもshhの遺伝子発現は認められなかった。しかし,Shhのレセプターであるptc-1, smoの遺伝子発現が認められた。このことから歯髄幹細胞はShhの遺伝子を発現していないもののShhタンパクに対して反応できることが確認できた。 2)次にpCMV-hShhを歯髄幹細胞に遺伝子導入し,2日後と5日後に細胞と培養液の両者を回収し,抗ヒトShh N-terminalを用いてwestern blotを行った。その結果,5μgのpCMV-hShhで2日後と5日後の細胞から2日後の培養液からヒトShhが産生されていることが確認できた。 これらの結果と前年度の結果をあわせると,歯髄幹細胞に対してpCMV-hShhの遺伝子導入を行うと歯髄幹細胞の増殖と分化を促進する可能性が示唆された。現在,歯髄幹細胞に対してpCMV-hShhの遺伝子導入を行い,増殖と分化に及ぼす影響を検討中であう。一方,マウス歯胚からの歯胚上皮細胞と歯胚間葉細胞の単離は,胎生10日の歯胚から歯胚間葉細胞の単離に成功した。
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Research Products
(1 results)