2008 Fiscal Year Annual Research Report
発生過程を再現する象牙質再生技術の開発ー歯胚や歯髄の不死化細胞株樹立とその応用ー
Project/Area Number |
18390514
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
完山 学 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90294420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
松香 芳三 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90243477)
上原 淳二 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10379836)
園山 亘 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40325121)
土本 洋平 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (20423311)
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Keywords | 歯髄幹細胞 / 遺伝子導入 / Shh / 歯胚 / 上皮間葉相互作用 / 歯胚幹細胞 / BMP-4 / CCN2 |
Research Abstract |
1.pCMV-hShhの歯髄細胞に対する影響 昨年度に引き続き,今年度もヒト抜去歯由来の歯髄幹細胞に,上皮間葉相互作用に関連している既知の成長因子であるShhをpCMV-scriptベクターに組み込んだpCMV-hShhを遺伝子導入したところ,本来,歯髄幹細胞では遺伝子発現が認められないShhタンパクの産生が認められた。また,このpCMV-hShhを用い,pCMV-hShhの歯髄細胞に対するShhタンパクの産生効率をウエスタンブロットで検討したところ,cell lysateにおいてはpCMV-hShh0.5μg〜5.0μgで導入2日後と5日後に,mediumuにおいてはpCMV-hShh0.5μg〜5.0μgで導入2日後にShhタンパクの産生が認められた。最も多くShhタンパク産生が確認できたのはpCMV-hShh5.0μgを導入したmedium中であり,その次にpCMV-hShh5.0μgを導入した5日後のcell lysateであった。本結果からin vitroにおいて歯髄幹細胞にpCMV-hShhを導入するには5.0μgが最適であることがわかった。また,この条件下では,細胞毒性による細胞死などは認められなかった。さらにin vivo実験の手始めとして,pCMV-hShhをラットロ蓋に作製した粘膜上皮欠損モデルに遺伝子導入したところ,コントロールと比較して血管新生が旺盛に認められた。しかし,粘膜上皮の再生に関しては明らかな差は認められなかった。 2.歯胚間葉細胞と歯胚上皮細胞の単離 一方,昨年度E10マウスの歯胚から単離した歯胚間葉細胞に上皮間葉相互作用に関連しているBMP-4,CCN2,FGF-2を添加し,その後の細胞増殖能を検討した結果,24時間後にBMP-4,FGF-2添加群で,48時間後にFGF-2添加群で優位に高い細胞増殖能を示した。また,マウス歯胚からの上皮の単離が困難であったため,ボランティアより得られたヒト抜去歯に付着した歯小嚢から上皮細胞用の培地で培養することで歯胚由来上皮細胞の分離に成功した。この細胞はRT-PCRによりCK14, amelogenin陽性であることが確認できた。
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Research Products
(3 results)