2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18401004
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
阿子島 功 山形大学, 人文学部, 教授 (00035338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 正人 山形大学, 人文学部, 助教授 (50292397)
渡邊 洋一 山形大学, 人文学部, 教授 (10137490)
本多 薫 山形大学, 人文学部, 助教授 (90312719)
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Keywords | ナスカ地上絵 / 世界遺産 / 人工衛星画像 / 古環境 / 考古学 / 文化人類学 / 地形分類 / 認知地図 |
Research Abstract |
ペルー、ナスカ台地の地上絵は世界遺産に指定されているが、その全体像は必ずしも明らかではなかった。ナスカ地上絵の全体の分布図を作成し、保護計画の基本資料とすることを目的として、高精度人工衛星画像を購入して、解析図化するとともに現地調査をおこなった。現地調査は世界遺産として立ち入りが禁止されているため、空撮および近隣道路からの観察、周辺にある同時代の遺跡の確認などを行った。 その過程で従来報告されていなかった図像を検出し、空撮で確認して報告した。その図像は台地南部にあり、最大長さ約65mの動物を抽象化したような絵であり、豊穣を祈念する図像であろうと予想される。 地上絵全体の分布図は、今回高精度人工衛星画像を広く購入できたことから、従前からの作業も含めて約30×20km^2の範囲について、人工衛星画像を基図にした線画として作成できた。さらに周辺について検討中である。またこれまでに判読図化した部分についても、地上絵の配置関係、線や図の重なり合い関係(時代的前後関係)などの精査を行う段階になった。 新地上絵発見の公表を2006年4月に行い、それまでのこのプロジェクトの中間報告シンポジウムを7月に山形大学で行った。その概要は次のとおりである。山形大学人文学部公開シンポジウム「ナスカの地上絵:謎の解明と保護計画に向けて」阿子島功:地上絵の土地条件、渡邊洋一:ナスカ台地の認知地図、坂井正人:高精度の人工衛星画像・現地調査にもとづく地上絵研究とその意義」、本多薫:研究成果の公開とWebサイトの開設、招待コメンテーター 埼玉大学加藤泰建氏であった。 2006年12月に現地調査を行った際にペルー文化庁へ英文報告原稿を提出したが、そのスペイン語訳を年度末に印刷した。2007年度は保護範囲区域内で実測を行うことをペルー文化庁に申請する見通しがたった。
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Research Products
(6 results)