2009 Fiscal Year Annual Research Report
アフガニスタン・ハザラジャートにおける仏教伝播の調査研究
Project/Area Number |
18401026
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
入澤 崇 Ryukoku University, 経営学部, 教授 (10223356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮治 昭 龍谷大学, 文学部, 教授 (70022374)
吉田 豊 京都大学, 文学研究科, 教授 (30191620)
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Keywords | 仏教伝播 / 石窟 / 仏塔 / バーミヤーン / バンデ・アミール川 / 交易路 |
Research Abstract |
本年度は海外調査と国際シンポジウムの二つを活動の中心とした。調査の方は、予定通り、トルクメニスタン・アフガニスタン国境を流れるムルガーブ川流域の遺跡調査を研究代表者の入澤が連携協力者の山田明爾とともに行い、ハザラジャートのバンデ・アミール川流域の石窟造営が西のムルガーブ川流域にも及んでいたことを確認することができた。併せてテジュン川流域も調査を行い、イスラーム以前のゾロアスター教関連の遺跡を確認し、イスラーム以前の宗教状況を見るうえで大きな収穫を得た。さらに本年は西の洞窟文化がアフガニスタンにまで及んだ可能性を探るべく、トルコの洞窟および地下都市を調査した。特にトルコ東部のアフラット遺跡では仏教石窟との共通性がみられ、今後の詳しい調査の足がかりをえた。イラン北西部のヴァルジュヴィ石窟、キャンドワーン遺跡なども調査し、イラン北西部でムルガーブ川流域の石窟にみられる要素を確認することができたのは大きな収穫であった。 本研究の最後を飾る公開の国際シンポジウム「人類の至宝アフガニスタン」を2010年3月6日・7日の両日にわたり行い、初日は「バーミヤーンから世界を見る」と題し、研究分担者の宮治昭を中心にして研究発表を行い、バーミヤーン遺跡研究の権威であるゼマルヤライ・タルジー博士(ストラスブール大学)の特別講演も開催し、バーミヤーンを中心としたハザラジャートの仏教文化のあらましを提示することができた。シンポジウム2日目は「仏教西漸」と題し、本研究の成果と今後の展望を提示した。アフガニスタン国立博物館館長オマラ・ハーン・マスーディ及びアフガニスタン考古学研究所所員ケタブ・ハーン・ファイズィ(研究協力者)が参加し、アフガニスタンの考古文物についての最新情報がもたらされた。
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Research Products
(14 results)