2006 Fiscal Year Annual Research Report
バクトリアのギリシア都市の美術・考古学調査ーウズベキスタン共和国カンピール・テパ
Project/Area Number |
18401032
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
芳賀 満 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (40218384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 文男 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (60298742)
内田 俊秀 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (30132822)
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Keywords | 美術史 / 考古学 / 東洋史 / 西洋古典 / 古代ギリシア / 古代ローマ / 古代オリエント / 地理情報システム(GIS) |
Research Abstract |
研究代表者はウズベキスタン共和国芸術アカデミーのジャンガル・イリヤソフ氏を共同パートナーとし、国際日本文化研究センターの宇野隆夫氏の参加を得て、駒沢大学の古庄浩明氏、カリフォルニア大学の近藤さおり氏、大阪府文化財センターの長嶺睦氏、アレクセイ・ゴリン氏の各氏が発掘調査を実施した。研究分担者の岡田文男と内田俊秀は、出土遺物の保存処理の監督を行った。現地発掘調査期間は2006年7月21日から8月25日まで。9月からはタシケントのキャラバン・サライで遺物の整理作業を行った。 発掘対象地域はテパ中心部のツィタデリの西部区域とした。従来の発掘による層位が一様でないので、最も古い検出面であるグレコ・バクトリア時代からクシャン時代への転換期に全体を合わせ、その上でグレコ・バクトリア時代からそれ以前の層位に達することを目標とした。しかし一部でクシャン時代層の直下に地山が検出され、グレコ・バクトリア時代層がない可能性が高まった。そこでツィタデリ東部区域の発掘も開始した。 検出遺構と多くの出土遺物から以下が判明。西部区域の一部にはグレコ・バクトリア時代の都市はないこと。この発見はグレコ・バクトリア時代の都市形成過程の研究に大きな進展をもたらした。(東部区域では同時代の層が検出されているので都市の西方への広がりの範囲確認が今後の課題。)また西端区域において、クシャン時代初期には都市プランが変更され、それ以降に一時的に放棄、その後にカニシカ時代に再び整地がされ建造物がたてられるも、それ以降にテパは放棄されたことも判明。なおGISによる地形図作成の為に、宇野氏が現地作業を行い、宮原健吾、寺村裕史の各氏が分析作成した。 来年度は、テパ西部区域を完掘し、東部区域でのグレコ・バクトリア時代への発掘作業を継続する。
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Research Products
(2 results)