2006 Fiscal Year Annual Research Report
メラネシアにおけるエスノ・ポップの形成過程に関する音楽人類学的研究
Project/Area Number |
18401039
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
山田 陽一 京都市立芸術大学, 音楽学部教授, 教授 (80166743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 淳一郎 弘前大学, 留学生センター, 淮教授 (40336904)
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Keywords | 民俗音楽学 / 文化人類学 / ポピュラー音楽 / ワールドミュージック / 国際研究者交流 / フランス領ニューカレドニア / ヴァヌアツ共和国 / パプアニューギニア |
Research Abstract |
研究代表者・山田陽一は、仏領ニューカレドニアのヌメアにある音楽制作スタジオ、マングローヴ・プロダクションにおいて、代表アラン・ルカンテ氏の協力のもと、ニューカレドニア固有のエスノ・ポップである「カネカ」のミュージシャン3名(エドゥー、ディック、ナトゥル)とのインタビュー調査を実施し、ミュージシャン自身がカネカの音楽的特徴や社会的意味をどのように捉えているかという問題について、有益な知見を得た。 また、ヴァヌアツ共和国の首都ポートビラにある音楽制作スタジオ、ヴァヌアタ・プロダクションにおいて、代表ジャン・マーク・ウォン氏の協力のもと、ヴァヌアツ固有の「ストリングバンド音楽」のミュージシャン(トコタキアのメンバー約10名)とのインタビュー調査を実施し、ストリングバンド音楽のもつ音楽的特徴や社会的意味について貴重な見解を得るとともに、レコーディング状況の映像記録をおこなった。 さらにパプアニューギニアの首都ポートモレスビーでは、ライブハウスにおける演奏者と聴衆の相互作用について実地調査をおこなうとともに、国立パプアニューギニア研究所の音楽部門主任研究員ドン・ナイルズ氏と、パプアニューギニアのエスノ・ポップの現状について意見交換をおこない、今後の調査の方向性や方法についてアドバイスを受けた。 研究分担者・諏訪淳一郎は、パプアニューギニアのマダンにおいて、近年新たに設立された二つの音楽制作スタジオ、カリボボとイージーウェイブの代表であるルーク・バナグ氏とウォルター氏から、設立の経緯や音楽制作の方針、大手スタジオとの関係などについて詳細なインタビュー調査をおこなった。また、1990年代後半からマダンに活動拠点を置いているスタジオ、トウンブーナ・トラックスの専属ミュージシャン、デマス・サウル氏から近年の音楽状況や活動内容について広範な情報を得た。
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