2008 Fiscal Year Annual Research Report
明治期における西洋近代とアイヌ民族との出会いに関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
18401046
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Research Institution | History Museum of Hokkaido |
Principal Investigator |
出利葉 浩司 History Museum of Hokkaido, 学芸部, 研究員 (40142088)
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Keywords | セントルイス万国博覧会 / 日英博覧会 / ベンジャミン・ライマン / ロミン・ヒチコック / アイヌ民族 / フィールド博物館 / ハンマースミスとフルハイム文書館 / スティーヴン・サイムス |
Research Abstract |
この研究は、明治期の北海道において、アイヌの人びとが欧米の研究者と出会う、その現場を文化人類学的にとらえ、そこで起こったできごとを、博物館をキーワードに考察することを目的としている。 連携研究者は、宮武公失(北海道大学)、財部香枝(中部大学)、矢口祐人(東京大学)である。 1.調査。(1)シカゴ大学図書館において、1904年にアメリカ合衆国セントルイス市で開催された万国博覧会関連資料の調査。〔宮武公夫〕(2)メリカ哲学協会および合衆国公文書館において、開拓使地質測量鉱山技師長であったB.ライマン(1873年来日)が残した日記・書簡・アイヌ関係未発表論文類の調査。〔財部香枝〕(3)コーネル大学図書館および合衆国国立自然史博物館において、1888年に北海道東部を訪問したR・ヒチコック関係の文書および写真資料調査。〔出利葉〕 2.成果の発表。(1)基礎資料の共有化をかねて、矢口祐人・出利葉が、R・ヒチコック関係資料(合衆国での講演原稿;未発表のもの)の翻訳、解題を発表。(2)宮武は、1910年日英博覧会における「アイヌ展示」について論文を発表。3)出利葉は、フィールド博物館若手学芸員S.サイムスによりセントルイス博覧会終了時に収集された資料の詳細について考察した。また、本研究は収集されたアイヌ資料も研究の射程に入れており、調査の一部を利用して、(4)民族資料の収集について、および(5)アイヌの罠について、それぞれ出利葉が発表した。 3.成果の普及。(財)アイヌ文化振興・研究推進機構が、本年、新潟県長岡市(8月)、旭川市(11月)でおこなった『アイヌの工芸展』(ペンシルバニア大学博物館所蔵ヒラー・コレクション紹介展)に協力し、成果の一部を公表した。
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Research Products
(6 results)