2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域環境管理手法としての地域制自然公園制度の構築と管理に関する国際比較研究
Project/Area Number |
18402012
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
畠山 武道 上智大学, 地球環境学研究科, 教授 (40062666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
交告 尚史 東京大学, 法学政治学研究科, 教授 (40178207)
広田 純一 岩手大学, 農学部, 教授 (00173287)
土屋 俊幸 東京農工大学, 共生科学技術研究院, 助教授 (50271846)
加藤 峰夫 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (20214405)
柿澤 宏昭 北海道大学, 農学研究院, 教授 (90169384)
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Keywords | 地域環境管理 / 環境調和型農林水産 / 地域制 / 自然公園 / 公法学 / 社会学 / 林学 / 環境政策 |
Research Abstract |
地域制保護地域制度として、国立公園と特別景勝地域の二つの制度がある英国を事例に調査を行った。英国の国立公園は、政府から独立した独自の組織である国立公園局によって管理運営されている。国立公園運営に関する意思決定は公園ごとの理事会によって行われており、メンバーには国の代表のほか自治体、パリッシュ(教区ないしは集落)の代表が加わっている。また、イギリスの国立公園は開発規制に関する権限を有しており、国と地方の協働による公園管理を行っている実態が明らかとなった。ピーク・ディストリクト国立公園委員会は、国によって直接任命された委員が10名、国の任命による教区の代表が8名、地方自治体からの代表が20名の合計38名の委員によって構成されている。 特別景勝地域は国立公園ほど充実した管理組織を有していないが、2000年田園地域および通行権法の制定により管理計画の策定と管理組織の設置を行うことが定められた。これによって、イングランド南部に位置するコッツウォルズ特別景勝地域では保全委員会が設置され、国から15名、自治体から15名、教区から8名の合計40名の委員が選出されている。しかし、このような組織を有しているのはまだ数箇所のみであり、現在組織の充実に向けた取り組みが進められている最中である。なお、特別景勝地域の管理組織は開発規制の権限を持っておらず、その権限が地方部局に置かれたままである点が、国立公園とは異なっている。 また、国立公園や自然公園には指定されていないが、地域で独自に自然保護を行っている事例として知られているスイスアルプス地域におけるエコツアーの事例調査を行った。その結果、地域環境保全に貢献する資源利用のあり方として、「自然や伝統的な文化を損なわない」ことと、「観光活動から生じる利益を、できるだけ自然と地域に還元する」ことの2点を重視していることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)