2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域環境管理手法としての地域制自然公園制度の構築と管理に関する国際比較研究
Project/Area Number |
18402012
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
畠山 武道 Sophia University, 地球環境学研究科, 教授 (40062666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
交告 尚史 東京大学, 法学政治学研究科, 教授 (40178207)
広田 純一 岩手大学, 農学部, 教授 (00173287)
土屋 俊幸 東京農工大学, 共生科学技術研究院, 教授 (50271846)
柿澤 宏昭 北海道大学, 農学研究院, 教授 (90169384)
八巻 一成 森林総合研究所, 東北支所, グループ長 (80353895)
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Keywords | 地域環境管理 / 環境調和型農林水産 / 地域制 / 自然公園 / 公法学 / 社会学 / 林学 / 環境政策 |
Research Abstract |
イタリアの国立公園および州立公園を対象として、公園管理における関係者の関与のあり方を探るため、管理組織の実態について調査を行った。国立公園は生態.景観、レクリエーション利用などの面から重要な地域であり、国によって管理される。州立公園は当該地域において特徴的な自然、風景面での価値を有する地域であり、州によって管理される。現地調査地の一つであるアブルツッォ国立公園は、1922年に指定された面積約5万haの公園である。公園の管理組織は評議会形式を取っており、議長、評議会、公園共同体からなっている。評議会は公園協同体から選出される5人の代表に加えて、環境省から2名、農業省から1名、大学から2名、国から認定を受けている環境団体から2名の合計12名によって構成されている。公園共同体は公園内にある地域の代表によって構成され、本公園の場合、25自治体(コムーネ)、6山の共同体、3州、3県の合計25の構成員から成り立っている。シレンベテリーノ州立公園は1989年に指定された公園で、面積は5万haである。公園には21のコムーネが含まれ、1.3〜1.4万人程が住んでいる。州立公園の目的は、自然保護と地域発展の共存にある。各コムーネの規模は小さいため、一つにまとまり大きな単位での取り組みを進めようとするところに公園設置のメリットが存在する。また、観光客から見ても知名度の向上になり、農業や観光の活性化に役立っている。公園組織は評議会議長、理事、評議会、公園共同体より構成される。議長は公園の代表者であり、評議会員から1名が選出される。評議会は公園運営に関する意思決定を行う機関で、公園協同体から6人の代表および、州の代表2名、大学から2名、環境団体から1名の合計11名によって構成される。公園協同体は全21コムーネによって構成される。以上のように、多様な関係者を交えた組織づくりの実態が明らかになった。
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Research Products
(6 results)