2006 Fiscal Year Annual Research Report
生活者・商人のライフヒストリーに見るジャカルタの変容に関する調査研究
Project/Area Number |
18402034
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
倉沢 愛子 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00203274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 耕 東海大学, 文学部, 助教授 (30269633)
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Keywords | ジャカルタ / ライフヒストリー / 都市史 |
Research Abstract |
18年度は研究の初年度として、予備的な調査が中心となった。例えば、ジャカルタの形成に関する二次文献の収集と整理にあたったほか、調査対象地域におけるインフォーマントとのラポールの確立などに傾注した。また同時に、5月に発生した中部ジャワ地震に関連した調査も行った。これは、中部ジャワ出身者とジャカルタ住民との間のネットワーク(基本的には親族関係である)に鑑みて、必要な調査であった。 倉沢は,ジャカルタ南部レンテンアグン地区住民5O名のライフヒストリーを、聞き取り調査によりまとめた。とくに同地区のコミュニテイヘの流入者について「移動」の観点からアプローチし、「地の人」と「外来者」のカ関係のバランスが時の推移とともにどのように変化していったかをみるとともに、それぞれのグループが経済カ、学歴、職種などにおいてどのような特徴を見せているかを分析した。これらの成果の一部については、倉沢愛子編『都市下層の生活構造と移動ネットワーク』にまとめた。また同地区の住民たちが組織している隣組・町内会の定例会合を詳細に分析し学術雑誌に発表した。 また、内藤はレンテンアグン市場の商人の属性の分析を常設店店主と露天商の両クループに分け比較した。同時に、コタの華人居住区の予備調査を行った。コタでは本研究の計画立案時仁存在していた路上市が交通渋滞の緩和のために一掃されており、立ち退きにあった商人への聞き取り調査が急がれる。このほか、バザール・スネン(月曜市)の開発過程についても調査分析した。これらの成果の一部は雑誌論文と共著書のかたちで発表した。
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