2006 Fiscal Year Annual Research Report
中国三峡ダム貯水池の大規模湛水に伴う地すべり発生危険度調査
Project/Area Number |
18403003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
汪 発武 京都大学, 防災研究所, 助手 (10324097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 功輝 京都大学, 防災研究所, 助手 (50372553)
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Keywords | 土砂災害 / 防災 / 自然災害 / 三峡ダム / 湛水 / 観測 / 斜面変形 / 間隙水圧 |
Research Abstract |
本研究では、三峡ダム貯水池における典型的斜面を対象に、現地調査および観測に基づいて、水位変動による地すべり発生機構を解明し、貯水池水位変動による地すべり発生危険度の評価方法を提案することを目標としている。 2006年度では、以下のような研究を実施し、成果を得た。 1)7月に中国三峡貯水池地域における樹坪地すべりの現地調査を行った。そして、雨量計、短スパン伸縮計、水中伸縮計、間隙水圧計、2輔傾斜計、孔内パイブひずみ計を設置し、観測作業をスタートした。 観測システム完成した2006年8月から2007年1月までの間に、2006年10月で行なった135mから156mまでの湛水による斜面変動の影響を観測した。また、観測期間において、4mほどの小規模放水も観測し、放水と湛水による斜面変動への影響の違いを解明した。樹坪地すべりにおいては、湛水及び放水の両方による斜面変動が観察され、湛水がされている期間においては、斜面変動が活発になり、湛水終了時点で、変動がほぼ停止したことが観察された。そして、放水による影響はより顕著であることも確認された。平成19年度では、引き続き、観測を継続する予定である。 2)湛水による地すべりの発生・運動機構を解明するために、三峡ダムの一回目の湛水によって再活動した千将坪地すべりから、すべり面の土試料を採取し、京都大学で開発された非排水リングせん断試験機を用いて、湛水による高速長距離運動地すべりの発生・運動機構を調べた。高速運動になる原因としては、古いすべり面近傍でできた新しいすべりゾーンでの粒子破砕によるものであるとの認識ができた。引き続き、異なる地すべり地のすべり面のせん断強度特性と土質特性との関係、特にすべり面土の含水状態によるせん断強度の変化を調べ、斜面の安定性問題および地すべり運動予測を含む地すべり発生危険度評価に必要なパラメータを求める予定である。
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Research Products
(7 results)