2006 Fiscal Year Annual Research Report
TA実験における観測宇宙線のエネルギー較正のための大気透明度精密測定
Project/Area Number |
18403004
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
千川 道幸 近畿大学, 理工学部, 教授 (50179941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 直明 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50114616)
荻尾 彰一 大阪市立大学, 理学系研究科, 講師 (20242258)
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Keywords | 宇宙線 / 大気蛍光 / ライダー / 消散係数 / エアロゾル |
Research Abstract |
1.本年度の研究実施計画は次のような骨子からなる(交付申請書に記載した概要):TAの設置場所に於いて大気透明度測定装置(LIDAR)を設置し,長期にわたる連続観測を行い,大気の透明度を精度良く決め,更に予備実験で行った大気透明度測定の効率よい方法の確立を目指す。1番目の設置場所BRMでの実験ではより高精度で決定できるよう継続的に実験観測を行い,2番目の設置場所LRで用いるLIDARの開発に向けた準備を行う。 2.これまでに上記計画に基づき,観測実験と開発を以下のように行った。 (1)BRMに於けるプロトタイプLIDARを用いた観測を積み重ねた結果,平成18年度末までの実験観測事象数は累計121,000を超え,一部解析が済み,現在も精力的に解析が行われているところである。夏は大気の状態の良い日が多く統計が稼げるが,冬は天候状態により観測可能日の割合が約1〜2割と少なく統計を稼ぐことができない。大気透明度の観測実験は15km程度までの長距離測定と3km以下の近傍を設定し,解析にはLIDAR方程式から導出されるslope法とKlett法を適用することにより,精度の高い値を得る実験を目指している。これまでの予備解析で大気の状態が安定な条件では,大気透明度は大気分子によるRayleigh散乱による計算から予想される値を主成分としてaerosol由来のMie散乱が存在する様子を,データから再現できる事が分かった。 (2)LRに設置を検討している新LIDARの開発は,購入機器のハードウェアをPCを用いてソフトウェアにより制御するプログラムの開発が,BRMの観測と並行して行われている状況である。具体的には,LIDARを構成するレーザ・オシロスコープ・経緯台・高電圧電源の制御及び雲量測定用の赤外線カメラの制御を統合して行うプログラム開発を行っている。
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