Research Abstract |
ヴェトナム沿岸部エビ養殖域の海水底泥中の抗生物質等の分析システムをハノイ教育大学内に立ち上げた.9月,12,月にハノイ南部のThai Binh県,Nam Dinh県で試料採取した.これらの底泥試料から有用バクテリアの培養を行い,一部を日本に輸送し,DNA分析を試みた.海水及び底泥中の抗生物質以外の含有成分について,ICP/MSを使った分析を,ハノイ科学技術大学で行った. 日本国内では,汚染水中のヒ素,カドミウム等重金属類の吸着除去技術及びエビ養殖池の富栄養化防止技術の開発を目指したシリカセラミックを用いた吸着除去基礎実験を行っている.一部のシリカセラミックは,ヒ素,リン,カドミウム及び水銀の吸着効率が良く,実用化の可能性も見いだした.さらに,難分解性抗生物質についても除去実験を準備している. 1)29要素中,As, Ba, Sbのエビ池の底泥中含有量が環境基準の2〜10倍程度高く,一方で海水中にはSr含有量が極めて高かったが,原因と関連性は現在のところ不明である. 2)シリカセラミックを吸着材としてリン,As, Cd, Hgの等温吸着曲線を求めた.セラミック成分分析から吸着機構を調べている.これらは,吸着効率とコスト,環境への二次汚染防止の面から実用化の可能性がある. 3)エビ池に多量に残留しているサルファ系抗生物質の分布量を解析している.さらに,紫外線およびセラミックを用いた抗生物質分解法に関する実験を行っている. 4)エビ池から採取した微生物群からサルファ系抗生物質に対する耐性,分解能を有する有用菌についても遺伝子レベルで解析中である. 5)Thai binh及びNam dinh地区のエビ養殖池11点で海水及び底泥中の抗生物質(NFX, OXA, TMX, SMX)を分析した.この中では,Thai binh地区ではNFX濃度が高く,Nam dinh地区ではOXA濃度がやや高かった.しかし,2002年に比べ濃度は低下していた.
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