2008 Fiscal Year Annual Research Report
オーストラリア熱帯の小型カッコウ類と宿主の進化的軍拡競争に関する行動生態学的研究
Project/Area Number |
18405009
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
上田 恵介 Rikkyo University, 理学部, 教授 (00213348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 和洋 九州大学, 理学研究院, 助手 (60136421)
西海 功 立教大学, 国立科学博物館・動物研究部, 研究官 (90290866)
高木 昌興 大阪市立大学, 理学部, 准教授 (70311917)
高須 夫悟 奈良女子大学, 理学部, 准教授 (70263423)
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Keywords | カッコウ / 進化 / 寄生者 / 宿主 / 行動生態 / マングローブ / ヒナ排除 / 托卵 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、オーストラリア・ダーウィンの調査地(Ludmillaクリーク沿いのマングローブ林)において4-5月、9-12月にアカメテリカッコウとその2種の宿主の調査を実施した。調査メンバーは分担研究者の江口和洋が中心となり、立教大学大学院の徳江紀穂子が野外での調査を担当した。 今回で計6回分の繁殖シーズンのデータが集まったわけであるが、その結果、2種の宿主マングローブセンニョムシクイとハシブトセンニョムシクイの巣において、昨年同様、親鳥によるヒナの排除の撮影に成功した。また、排除のミスとして自分自身のヒナを排除する証拠もビデオカメラに捕らえることが出来た。ハシブトセンニョムシクイのヒナとアカメテリカッコウのヒナは極似しているが、マングローブセンニョムシクイのヒナはそう似ていない。このことは、アカメテリカッコウはもともとハシブトセンニョムシクイを主要宿主として、そのヒナ擬態を進化させたものであろうが、近年、マングローブセンニョムシクイにもその宿主範囲を拡大して、寄生をはじめたものと考えられる。そして、現在、マングローブセンニョムシクイにおいてもカッコウのヒナ排除が起こりつつあることは、まさに進化の動的な場面をこの目で確かめているということであり、学術的な意味は非常に大きい。 これらの成果は、2008年8月の国際行動生態学会議(Ithaca,USA)で口頭発表を行い、また2008年9月の日本鳥学会大会、日本動物行動学会において口頭発表を行った。
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Research Products
(6 results)