2006 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム乳幼児への亜鉛投与がワクチンの抗体獲得および感染症罹患に及ぼす影響
Project/Area Number |
18406027
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
山本 茂 お茶の水女子大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (70093896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 徹 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 助教授 (40274196)
中森 正代 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (40380034)
武田 憲昭 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30206982)
吉池 信男 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 国際産学連携センター, 研究員 (80240232)
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Keywords | 栄養学 / 感染症 / 社会医学 / 国際協力 |
Research Abstract |
今年度はハノイ国立栄養研究所と試験計画の詳細な打ち合わせを行い、調査地域の選定、基礎情報の収集、調査システムの確立を行った。 1.調査地域の選定 調査地域としてはベトナムの北東地域に位置するBacGiang省YenThe地区を選定した。当該地域は首都ハノイからおよそ60km北東に位置する山岳地域であり、小児や妊婦の栄養障害や貧血の頻度が高いことが報告されている。また予防接種、乳幼児の栄養評価(身体計測)や栄養剤の配布(ビタミンA、鉄)及び母親への栄養や衛生指導が長年行われており、調査システムの確立が容易である。 2.基礎情報の収集 YenThe地区を代表すると考えられる4地区において、2ヶ月以上18ヶ月未満の児およびその母親を全例調査した。調査では、栄養不良の割合は約20%であり、6ヶ月までの完全母乳保育率は0%であった。授乳婦における亜鉛欠乏のり患率は55%と高く、また貧血のり患率も約40%と高いものであった。従って、調査地域における乳幼児の亜鉛欠乏リスクは高いことが示唆された。また、調査地域の母子保健プログラムの施行状況として、乳幼児へのビタミンA投与は12ヶ月以上児の96.8%が内服しており、麻疹ワクチンの接種率は97.4%と良好であった。 当地域における感染症の年間り患率および麻疹ワクチン接種時の抗体獲得能については、現在調査が進行中である。 3,調査システムの確立 当地域のコミュニティーヘルスセンターを中心として、新生児のリクルートおよびその後の栄養状態、感染症の発症など、研究における調査項目の追跡調査が可能となるよう現地の状況把握と現地スタッフへのシステムの説明、指導を行った。 4.介入期間の変更 介入期間について、感染症の発症には季節変動があるため1年を通しての評価が望ましいとの指摘があった。そこで、本試験の介入期間を、6ヶ月から1年に延長した。
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Research Products
(3 results)