2007 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム乳幼児への亜鉛投与がワクチンの抗体獲得および感染症罹患に及ぼす影響
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18406027
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
山本 茂 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (70093896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 徹 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (40274196)
中森 正代 お茶の水女子大学, 生活科学部, アソシエイト・フェロー (40380034)
武田 憲明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30206982)
吉池 信男 独立行政法人国立・栄養研究所, 栄養調査研究部, 部長 (80240232)
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Keywords | 栄養学 / 感染症 / 社会医学 / 国際協力 |
Research Abstract |
乳幼児の亜鉛投与を実施するに際し、亜鉛の投与量に関する考察が必要であり、乳幼児の母乳と離乳食からの亜鉛摂取量の把握が必要である。そこで、母乳中の亜鉛濃度および、離乳食からの亜鉛の摂取量について調査を実施しか。 母乳中の亜鉛濃度は、母親が亜鉛欠乏状態にあると低濃度となることが報告されている。調査地域で無作為に抽出した60名の授乳婦(授乳6-12ヶ月)において、亜鉛欠乏者は55.4%(31/59人)であった。母乳中の亜鉛濃度は、授乳6-12ヶ月と比較して、授乳9-12ヶ月において有意に濃度が低く(p<0.01)、授乳6-8ヶ月齢(幾何平均(95%CI))で0.67(0.61,0.79)ing/に9-12ヶ月で0.70(0.55,0.80)mg/Lであった。調査地域の授乳婦の母乳濃度は、米国の授乳婦の報告(乳幼児の推定亜鉛必要量の算定に用いられる標準値)と比較すると、低かった。 離乳食からの亜鉛摂取量について、調査地域で無作為に抽出した6-18ヶ月齢の乳幼児120名を対象として3日間の24時間思い出し法および秤量法による食事調査を実施した。離乳食からの亜鉛摂取量(中央値(25,75バーセンタイル)は6-8ヶ月齢の母乳保育児で1.38(0.98,1.80)mg/d、9-11ヶ月齢母乳保育児で1.87(1.10、2.68)mg/d、12-18ヶ月齢母乳保育児で1.93(1.33,2.36)mg/dであり、推定必要量の約半分程度であった。なお、12-18ヶ月齢非母乳保育児の亜鉛摂取量は、2.83(2.02,4.03)mg/dであり、母乳栄養児と同様に推定必要量の約半分程度であった。 以上より、調査地域の乳幼児の亜鉛摂取量は推定必要量の約半分程度であり、その不足を補うには毎日約4mg(推定吸収率10%)の補給が必要であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Preliminary research on the nutrient status and breast milk concentration of iron, zinc and cupper in lactating mothers at 6 to 12 month of postpartum in rural Vietnam2009
Author(s)
Nakamori M, Ninh NX, Isomura H, Yoshiike N, Hien VTT, Nhug BT, Nhien NV, Nakano T, Khan NC, Yamamoto S.
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Journal Title
J Nutr Sci Vitaminol 55(4)
Peer Reviewed
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